アイドルマスター アンソロジーコミック

2014/03/12 (Wed)
アンソロジー三部作一の傑作![]() | アイドルマスターアンソロジーコミック (FOX comics) (2006/03) アンソロジー 商品詳細を見る |
TOUCH! 作:藤枝雅
Hewe We GO!! 作:上田夢人
はげしく、うれしく、せつなそうに 作:GUNP
アイドルグッズをつくっちゃおう♪ 作:みづしま亜留
IとPの微妙なカンケイ 作:ONION
セカンドステージ 作:おこさまランチ
スタートライン 作:水萌桜
スーパースタイリスト 作:陸本よしゆき
DOKI☆DOKIな1日 作:綾川由姫
アイドル一物語 作:芹沢謙
iDOLイメージ 作:ノンシュガー
A SNOW DAY 原作:ディレ1 漫画:ぷろとん
プロデュースド バイ わたし 作:あらたとしひら
マスカレードパニック 作:緋瀬らい
frohlich 作:源久也
前二作同様のアンソロジーですが、出版社が違うということで、「Vol.3」ではありません。
とはいうものの、アンソロジーはアンソロジー。基本構成は同じで、依然としてアーケード時代、
美希も不在の10人体制、というのも変わらないものになります。
では早速各作品ごとに。
TOUCH! 作:藤枝雅
タイトルから分かる通り、やよいがメインで、千早と雪歩でのトリオユニットによるシリアス系。
各キャラはそうですが、何よりこの3人の関係性というものが非常にうまく描かれており、
千早が雪歩を名前で呼び捨て、なんてことは気にならないくらいの完成度となっています。
Hewe We GO!! 作:上田夢人
3作連続登場の上田さんの今作は、タイトル通り伊織と、雪歩によるデュオユニットのストーリー。
伊織らしさ、雪歩らしさがしっかりと描かれたシリアス展開で、後に「relations」にて美希と
トリオユニット組む前のストーリー、という見方もでき、非常に印象的な作品です。
はげしく、うれしく、せつなそうに 作:GUNP
真とあずさによる、基本ギャグテイストの作品。メインでは出てこない伊織を話題にして、
ストーリーが進行する構成は中々新鮮で、ギャグ描写も過激すぎず、いいバランスだと思います。
アイドルグッズをつくっちゃおう♪ 作:みづしま亜留
タイトル通りにPがアイドル達と、アイドルグッズについてあーだこーだ、という話で、ギャグ系。
全キャラがしっかり描かれているわけでもありませんが、個性がしっかり出ているメンバーもいて、
さらには、事務所における小鳥の立ち位置、というのもしっかり描かれているのは中々いい感じ。
IとPの微妙なカンケイ 作:ONION
4コマ形式になっていて、ギャグ展開ですが、多くのメンバーでそれぞれとPとの関係性、という
ものが描かれていて、その意味ではゲーム的。もちろんアイドル間の関係も描かれ、良作です。
セカンドステージ 作:おこさまランチ
これまたタイトル通り雪歩のストーリーとなっているわけですが、ゲームのエンディング後の
ストーリー、というあたりが非常に特徴的。もちろんシリアス系で、非常に良いシナリオです。
スタートライン 作:水萌桜
やよいと伊織のシリアス系ですが、ギャグも適度に散りばめられたメリハリ型。決して百合には
走らず、王道のやよいおりをしっかりと描ききっている、というあたりは見事なものです。
スーパースタイリスト 作:陸本よしゆき
千早と亜美真美、という後にMAで組まれる組み合わせではありますが、珍しいことには変わりない
組み合わせで、この二組の温度差をしっかりと描いています。シリアスとギャグのバランスも中々。
DOKI☆DOKIな1日 作:綾川由姫
雪歩、真、伊織によるユニットの仕事のお話、となっているのですが、ベタながら中々面白い構成。
途中、真と伊織が「雪歩はどう思う」と聞くあたりは、今だったら「黙ってて」になるなぁ…という
あたりもあって、「定番ネタ」の功罪をも感じます。とにかく、この作品自体の完成度は抜群。
アイドル一物語 作:芹沢謙
やよい、雪歩、亜美によるユニットのギャグモノなのですが、ギャグがどうこう、ということより、
真美が圧倒的に不憫、というところがポイントかと。不憫な描写がある、とかではなく、そもそも
存在自体がほとんど抹消され、申し訳程度に…というのでは…。この時代の真美をあらわしてますね。
iDOLイメージ 作:ノンシュガー
千早と雪歩のユニットによる、基本ギャグモノ。二人のキャラクターいうものもちゃんと描きつつ、
ゲームのシステム的なところもしっかりネタとして使う、というあたりは中々うまいものです。
A SNOW DAY 原作:ディレ1 漫画:ぷろとん
石原さん原作、ぷととんさん作、ということで、最も公式的な作品かと。セリフなしの構成、という
特殊な作りながら、765プロの団結をしっかり描いている、というあたりは流石、の一言。
プロデュースド バイ わたし 作:あらたとしひら
律子が引退後で、プロデューサーに転身して…というあたりは「2ndVISION」に直結する内容で、
特にアニメのストーリーと非常に重なる部分があり、今読むと極めて重大に思える内容です。
秋月律子というキャラクターがどういった立ち位置なのか、改めて考えさせられるくらいです。
マスカレードパニック 作:緋瀬らい
こちらも千早と亜美真美のユニットの話で、この二組の温度差、というものがシナリオの基盤と
してあります。ギャグテイストでありながら、この二組の関係性をしっかり描いているのは見事。
frohlich 作:源久也
濃厚なやよいおりが展開されるわけですが、春香の扱いが…これはこれで面白いことになっています。
最後の作品として相応しいかはともかく、完成度は高い、良作だと感じられます。
アンソロジーという構成は前2作と全く同じですが、作品の平均クオリティは明らかに高く、
この3作でどれが良いか、というならば今作、と言い切っていいくらいだと思います。アイドル
個人、関係性も丁寧に描かれており、アーケード時代の一つの集大成とすら言えるでしょう。
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