アイマスにおける「世代交代」の可能性 中編

kage

2014/08/30 (Sat)

3.声優陣の問題

アイマスというコンテンツにおいては声優という存在が非常に大きく、彼女たちの力なくして
現在のアイマスの状況はあり得ない、というのは全くもって大袈裟な表現ではないでしょう。

そんな彼女達、初期メンバーなら収録からは10年以上経っていて、文字通りアイマスは
ライフワークになっているはず
です。しかし10年という時は色々な環境の変化が起きるには
十分すぎる年月でもあります。それこそ彼女たち自身の声優としてのスタンスもそうであるはず。

スタンスが変わらなかったとしても、年齢を重ねているという事実は抗いようがありません
最年長から最年少まで一回り違うメンバーをひとまとめに表現するのは適切ではないかも
しれませんが、平均年齢が30歳を超えているということは一つ現実としてあるわけです。

別に年齢を重ねたところで、役を演じるということに問題が起きるとは全く思いません
しかしアイマスには「ライブ」という大きなイベントがあり、ここは問題になりうるはずです。

実際に、8th以降「765単独のライブはもう厳しいのでは」という意見も散見されました。
今回の9thではそんな話をあざ笑うかのようなエネルギーとパフォーマンスを出演メンバーは
魅せてくれているわけですが、じゃあ不出演メンバーは…という話にもなってきます。

これまでのライブでは圧倒的にエネルギッシュで全体を引っ張っているようにすら見えた
長谷川さんと仁後さんには全く問題がなかったとしても、同様に引っ張っているように見えた
若林さんもまた全く問題がないのか、というとそこはどうしても気になってしまいます。

メンバー最年長の彼女の、現状での「最後のステージ」であった8thで魅せたパフォーマンスは
文字通り圧倒的だったわけですが、この9thでの3連続ソロに耐えられるのかどうかは…。
8th以来ライブに出演していない理由自体が不明ですが、年齢的な問題については最年長の
彼女が一番最初に直面するのはある意味当然
ですし、無関係とも考えにくいところです。

たかはしさんについては、年長者であるということに加え、7th時点での膝の故障もありましたし、
やはり9thのソロ3連発は…という風にも考えてしまいます。SSAでは全く問題無いようにも
見えましたが、ソロは単発でしたし、ダンサブルなタイプの楽曲でもなかったのは確かです。

もちろん9thのソロ3連発なんてものは特に厳しいものであるのは間違いありませんし、
それこそ今回限りで、次からはこんなことはやらない、と考える方が妥当かもしれません。しかし、
基本的に全員の曲数が同じであるアイマスライブにおいて、まだまだパワフルな年少組と
年長組が今後も同じようにやれるのか
、というのは難しい問題で、ここは無視できないでしょう。

また、スタンスの話に戻ると、結婚や出産という話だって全く無関係ではないと思います。
滝田さんや平田さんは見事にカムバックしていますが、全員が全員同じことができるか、
ということについては、確実なことは何一つ言えないはず
です。

それも含めて、この10周年を区切りとして、長谷さんと同じ判断を下すメンバーがいない、
と考えることは不可能
なのです。あのときは公式のアナウンスも実に見事だったと思いますし、
浅倉さんが本当に良く頑張ってくれたからこそ、コンテンツ自体の危機には直結しませんでした。

しかしこのタイミングでまた誰かが、となると…。年月の経過による変化は常に続くものですし、
中途半端になるくらいなら、誰か一人が無理になるならいっそ全体を、という判断が
このタイミングで下される可能性もまたゼロではない
、ということは言えてしまうのです。

アイマスの魅力の中に、声優の魅力があるのは間違いありませんが、その存在が大きすぎるが
故に、他のコンテンツでは起こりにくい事態が起こる危険性をも孕んでいるのは否定できません。


4.後継者の存在

「世代交代」と言うからには「交代先」がいなければ成り立たない話なんですが、言うまでもなく
アイマスには「シンデレラガールズ」「ミリオンライブ」という存在が既にあります。

うちどちらが「後継者」として「正統派」なのかと言えば、様々な要因から「ミリオンライブ」で
あると私は考えますが、ミリオンに一本化するという意味ではなく、並列だとも考えます


「765イズム」なるものをミリオンが継承するとしても、現状コンテンツとしてはより大きい
シンデレラも存在を小さくすることはないでしょうし、二本並列でやっていくのが現実的でしょう。

登録者数400万人という数字、そして3周年記念ライブで「代々木競技場 第一体育館」という
大会場、という事実から分かるように、その勢いは圧倒的であるシンデレラは、数字の上では
765を上回ってさえいる部分があるのは否定できないくらいの状態
となっています。

一方のミリオンはそうした数字は上がってきませんが、元々のコンテンツのスタンスや、
1stライブにおいてシンデレラは歌わなかった「THE IDOLM@STER」を歌ったという事実、
センタのー春日未来天海春香の「」(と日高愛の「」?)と、「未来」という名前を
与えているように、明確に「未来を託す先」として示しているようにも見える状態です。

この二本がしっかりと機能している現状から、765が退陣したとしても、「アイドルマスター」は
コンテンツとして存続することは可能
、ということは十分に言えるかと思います。

しかしこれはあくまでも765プロが第一線から退陣した場合での考え方に過ぎません。
もう一つ別の考え方として、765プロがミリオンと正式に合流する、という形もあるのです。

そもそも現在のミリオンライブというコンテンツは、50人体制のコンテンツでもあるんですが、
うち765の13人は少しだけ先輩、という風な扱いで、やや差をつけているような状況であります。

ただ現実をみればその差はもっと大きくて、例えばその定義の上でならミリオンの周年ライブに
765メンバーが出てもおかしくないわけですが、そんなことは1stでは起きていないし、
2ndでも起こらないのはほぼ確実で、それが当然であると恐らく誰もが思っているはず
です。

それほどの差があるのが現状なんですが、「13人での物語」に限界があるのならば、
映画がそうしたように、コンテンツの本筋自体もまた「後輩」という存在を得て、新たな活路を
見出す
、という方向に動いても全くおかしくはない、と考えることもできるのです。

もちろんこのままの私の表現ではミリオンの37人がないがしろというか、踏み台扱いにしか
感じられないものになってしまいますが、現実にやるのならばその辺のバランスは
しっかり取ってくるはずですし、それこそ現在のプラチナスターライブでのシナリオのような
形ならば13人にとっても37人にとっても望ましい展開
と言えるのではと思えます。
もっともこれでも37人には「後輩」という属性が必要以上に付加されてしまうんですが…。

しかしながら現実にはそれよりももっと重大な問題があって、それが声優の話です。
キャラクターの意志というものは制作側で言わばいくらでもコントロールできますが、
生身の人間である声優に対してはそんなことができるわけもありません。

正式合流なんて形が起こってしまったら、今現在、37人で頑張ろうとしているミリオンの
彼女達の気持ちはどうなるのか
、という問題はどうやっても発生してしまうはずなのです。
となると正式合流もまた考えにくくなるわけで、765にとっては八方塞がりにもなります。

ただ、少なくとも仮に765が退陣しても「後継者がいる」というのは紛れもない事実なのです。
アイマスをアイマスというブランド化させたのは間違いなく765であり、彼女らが抜けることで
ブランドの崩壊を引き起こす可能性は多大にある
と思いますが、そうなった場合のダメージを
最小限に食い止められるくらいの力をシンデレラもミリオンもつけてはきていると思いますし、
この二つの存在自体が「世代交代」という言葉を生み出しているのもまた事実でしょう。

繰り返しになりますが「後継者がいる」からこそ「世代交代論」が成り立つのですから。


続きます。