「9.18」とは何だったのか? 中編

kage

2015/07/11 (Sat)

「9.18」に至るまでに

9.18とは「アイマス2」に関連して起きた出来事なんですが、
今思えばそれに至るまでにも伏線のようなものがいくつかありました。
それについて少し確認してみようと思います。


アイマスSP

アイマスのPSP版で、ソフトは3タイプ発売し、それぞれプロデュースアイドルは別々に。
さらにライバルアイドルとして961プロの「プロジェクトフェアリー」が登場し…
という今作ですが、ここでのポイントは「プロジェクトフェアリー」の美希です。

360版で765プロ所属のプロデュース可アイドル初登場し、他メンバーと並列に
扱われてきましたが、このSPでは961プロ所属という設定になり、初登場キャラの
貴音とともにプロジェクトフェアリーとして765プロの前に立ち塞がる事に。
…つまりは「プロデュース不可」アイドルが2に先駆けて登場していたのです。

もちろんこれについても美希Pを中心に不満の声は上がりましたし、
立ち位置だけでなく、彼女のキャラクター性も改編(改悪)された部分もあり、批判も起きました。
しかしながら貴音の登場というインパクトや、ゲームのエンディングから先、
3人の「765プロ入り」後の物語がCD等では展開された事により、うやむやの形に。

ここでこうした形で「プロデュース不可アイドル」の存在を許してしまった事が
「9.18」につながったのでは
、という考え方もできてしまうのです。


アイマスDS

765プロとは別の、876プロのアイドル達を、プレイヤーがアイドル達を直接操作して
セルフプロデュースするDS版のゲーム。765プロのメンバーはプロデュース不可ですが、
「先輩アイドル」の立場で描かれる外伝的作品であるため、それはここでは問題ではありません。

問題と言えるのは876プロのアイドルの一人秋月涼、男性アイドルの存在です。
彼は876プロの事務所の都合…と言う名のノリで女性アイドルとしてデビューし、
活動していくわけですが、最終的には男性であると公表して…という物語が描かれます。

このについてもやはり批判がなかったわけではありません。男性という存在は
どういう形であれこれまでのアイマスにおいては異質であり、浮いたものだからです。

しかしながらそのシナリオの質や、自身のキャラクター性、あるいはDSという展開自体が
拡大しなかった事により、ここでは「男性」問題はそれほど大きくなりませんでした。

つまりはここで「男性アイドル」を容認してしまった事が、ジュピター登場を
許してしまったのではないか
、という考え方もできるのです。


5thライブ

アイマス周年ライブの、5年目の区切りの回。ここで初めて「アイマス2」が
発表された
のですが、この時点で既に「9.18」の要因となった「竜宮小町のP不可」
「ジュピターの登場」は決まっていたはずです。

その意味で前述の2つのゲームとは異なるのですが、しかし「9.18」の
伏線とも言える事はこのライブで起きた、と言う事がポイントです。

それは2日間のライブのうち一日目に公開された、「アイマス2の1stPV」。



既に十分過ぎるほど美麗だった無印よりさらにグラフィックが向上し、
さらには真美がビジュアル的に大きく変化。さらに貴音もHD初登場で…
「2」というナンバリングに相応しいものだと感じさせるPV…ではあります。
5thライブの熱狂の中、このPV一本でテンションが上がるのは必然です。

しかし良く見ると…というか普通に見てもダンスパートでは竜宮小町の4人は
登場していない
のがわかります。この時点で違和感を覚えるのもまた
必然のはずで、私はそうだったのですが、どういうわけだか当時のP達からは
そこに対するツッコミはあまり上がってこなかった…
という事があったのです。
もしかしたら、二日目公開のPVにうまく騙されたのかもしれませんが…。



両日ともにユニットコミュでは竜宮小町の4人は出てきていない、というのに気付くはずです。
一本目があれだった時点で疑うべきでは、と私は当時から思ったものですけどね…。

肝心の「竜宮小町」の存在自体については「9.18」の直前に発表されることとなったのですが、
しかしこの時点でも「1週クリアすればプロデュースできるようになるはず」という
楽観視も多く、このギャップこそが「9.18」につながった、とも言えます。

『アイドルマスター2』秋月律子プロデュースの765プロ新ユニットが登場(ファミ通記事)
http://www.famitsu.com/news/201009/09033234.html


少し余談ですが、このライブでは雪歩の声優が長谷さんから浅倉さんに交代する、
ということが発表され、当の浅倉さんもこのライブに2日目の最後に出演
しました。
この交代の詳細についてはネット記事ですぐにアップされました。

長谷さんからバトンタッチ――『アイマス2』雪歩役・浅倉さん最速インタビュー!!(電撃記事)
http://dengekionline.com/elem/000/000/275/275837/

この交代劇については、当然長谷さんのファンにとってはショックな出来事で、
受け入れがたいP達も少なからずいましたが、しかし「1stVISION」末期の長谷さんの
アイマスへの姿勢や、楽曲での雪歩としての歌声等から、「仕方ない」「想定の範囲内」的な
意見の方がより多くあった
のです。この5thの彼女の欠場についても、「知ってた」という空気も
あったくらいです。そして上記の記事で(建前的な内容だとしても)しっかりとした説明がなされた、
ということで多くのPはこの交代劇に納得し、そして浅倉さんを迎え入れました。

だからこの一件は同じ「アイマス2」「2ndVISION」移行の際の重大トピックスにもかかわらず、
「9.18」には関係していないし、この出来事を巻き込んでの騒ぎにはならなかった
のです。
それは当然不幸中の幸いとも言える出来事でしたが、しかしながらこの交代劇は上手く
アナウンスして成功させたのに、なぜ9.18ではあんな下手なアナウンスをしてしまったのか…
という見方もでき、その意味で9.18と絡めて考えることができる事案でもあります。


なぜ「9.18」は起きたのか?

ここまで色々書きましたが、SPでの美希プロデュース不可や、DSの登場については、
結局は遠因と言えるレベルに過ぎない出来事なのかもしれません。

実際なぜ竜宮小町のプロデュース不可、ジュピター登場という判断を制作陣が
下したのか、各種媒体で色々と語られている部分はありますが、真相は不明です。

ニコニコ動画でのブームによりイニシアチブをユーザーに取られそうになったから、
それを取り返すための強硬策、というような話は最新記事からも出ています。

『アイドルマスター』10周年を記念してガミP、ディレ1を直撃! 【周年連載】(電撃記事)
http://dengekionline.com/elem/000/001/072/1072252/

あるいは「アニメありき」で始まったという「2ndVISION」において13人の中でも
メリハリをつけるためだったのかもしれません。実際アニメではメリハリになりましたし。

あるいはアイマス以外でも多忙な釘宮さんやたかはしさん、一人二役の下田さんの
負担減では、という意見は至極もっともらしいものとも感じられます。

ジュピターの登場も、マンネリ化の打破や、新規層(女性層?)の獲得を
目指した、という話ならば、狙い自体が間違っていたとは思いません。

けれども、いかなる理由があろうとも、P達はこの事態を許しはしなかった
多少の反発があることは流石に制作陣も承知だったはずですが、
これほどまでとは思っていなかったはずです。

この猛反発は皮肉な事に、制作陣が意図して、あるいは意図せずに
ここまでの5年間で765プロの「団結」を強固にしてきたことが要因
でしょう。

アーケード時代の競争原理など、尖った部分は360以降どんどんそぎ落とし、
「団結」、みんな「いっしょ」路線を、ありとあらゆる意味で進め過ぎてしまった。
これが楽曲のタイトルになっているのは分かりやすぎ過ぎる例ですが、
CD発売やゲーム展開等、「差を付けなさすぎた」ことが裏目に出たのです。
(春香美希千早の優遇はもちろんありましたが、それは誤差レベルだったということです)

あるいは、この9.18以前に溜まっていた、公式(というか主に石原氏への)
フラストレーションがここで爆発してしまった
、ということもあるでしょう。
石原氏のまともな社会人とは思えぬ言動は昨日今日始まった話ではありませんからね。
そのため、これは皮肉でも何でもなく自業自得としか言いようのない理由でもあります。

いずれにせよ、制作側の甘い目論見は完全な誤算であって、
結果としてこうした事態が起きてしまった
のだと、そういう話になります。
(…もしかしたらここまで想定の範囲内だった、という考え方もありますが、
 それは流石に穿ち過ぎでしょう…詳細は後述します)

…今となってはこうして「昔話」が如くなってしまいますが、
しかしこの件が現在へとつながっているのもまた事実です。
…続きます。