デレマスアニメ16話 「The light shines in my heart.」 雑感

kage

2015/08/11 (Tue)

先に【私のシンデレラアニメに対する対応について】をお読みください。


「安部菜々回」

今回もメインストーリーを「CP以外の個人回」ととれる内容で描いているものになります。
常務の求めていると思われる「王道アイドル」とは逆の「個性派アイドル」が苦境に
立たされる、という物語の中で、その代表として菜々が抜擢された、という感じでしょうか。

ただ菜々を見て思うのは、「個性派アイドル」の中でも、「キャラ作り」を意図的に
しているアイドル、という属性が彼女には存在する、というところがポイントになります。

もっとナチュラルに「個性派」たるアイドルならばこの状況ではどうにもならなくなる、
ということで非常に描きにくくなりますが、彼女ならばこの状況で考え、もがく、
という描写が描ける
し、同様に「キャラ作りキャラ」であるみくとの絡みも
自然に描ける、ということで、この話に非常にフィットしたアイドルだと言えるでしょう。

そうした側面をしっかりと描く事で、安部菜々というアイドルを深く掘り下げられたし、
メインストーリーに沿ってうまく物語も進行させられた、そこは上手かったと思います。

また、「個性派アイドル」というシンデレラならではの特徴を活かした話でもあり、
彼女たちを肯定する、という描写を描いた事、これ自体もコンテンツとしては
非常に大事な部分
であり、その意味でも大きな一話になったと思います。


美城常務の方針

ただ一方で、そもそもの常務の方針がどうなのよ、というところは全く抜けません。
まるで自身の死期が近いかのごとく生き急ぎ、性急な結果を求める彼女ですが、
なぜそんなにも早期の結果を求めるのか、が全く見えてこないのです。
もちろん会社として成果が必要なのは当然ですが、だとしても…です。

これが仮に父親である会長との確執とかなんとかで、彼女個人のパーソナリティに
起因する理由があって、それを今後物語で描くというのならば、こんなアイドルでもない
キャラの掘り下げをする暇があるならちゃんとアイドルを掘り下げろよ
、という話ですし、
そういう理由すらなく、単に物語に波乱を起こすための装置でしかないのならば、
それはそれであまりにも雑な存在、ということでどうなのよ
、と思いますし…。
この常務というキャラ自体の存在が非常に危うくしか感じられません。

また、彼女の求める「かつての芸能界で見られたスター性・別世界のような物語性」とは
所謂「王道アイドル」なんでしょうが、それが「売れる」保証が何かあるのでしょうか…。
346プロという芸能事務所のブランドとして「王道」がある、ということなんでしょうが、
ブランディングと人気(売れる)はイコールではないでしょう。
その意味で、「成果」を求める常務としての彼女と、「ブランド確立」を図ろうとする、
言わばPとしての彼女、それは別の話、という考え方は至極もっともだとは思います。
つまり、「成果の求め方がおかしいのではないか」という話。

この世界でいうトップアイドルが、765プロなのだとしたら、「生っすか!?」なんて
バラエティ番組をやっている彼女たちは常務の求める「王道アイドル」とはかけ離れているはず。

あるいは玲音がこの世界にいて、彼女がトップアイドルならば「王道アイドル」も理解できますが、
猫も杓子も彼女のようになれるはずもないし、事務所全体で下手に目指して劣化コピーを
増産しても、それこそ346のブランドが傷つくのではないか、とすら思えます。

実際問題、所謂「バラドル」的なアイドルを多数抱える346プロは、まさにこの回で
キャラの方向転換を求められたわけですが、それで本気で常務は上手くいくと思ったのか…。
まぁこれについては、いきなりリストラをするのはそれこそ事務所ブランド的にアウトだから、
言わば「追い出し部屋」に追い込んで自主退職を促した
、と見るべきなんでしょうけどね。

またこれについてはアイドル達はもちろん、スタッフも困惑しているようで、
完全にワンマンショー、独断に基づく判断でやっているようですが、
ここまで来ると「外国帰りのお偉いさん」という立場の人間のイメージダウンをさせたいのか、
と思えるくらいネガキャンを展開している
とすら感じられ、どうなんでしょうかね…。

そんなこんなで菜々はイベント本番でこの方針に反発を示し(自らのアイデンティティを
貫いた、という綺麗な描き方ですが、結果はこう言える行動ですし)、
CPのPも苦境のアイドル達と手を汲んで反旗を翻す、という展開になりました。

「常務vsCP」、というか「常務vsそれ以外の全社」、とも思えるこの状況で、
悪役でしかない常務に救いはあるのか、それとも…。

自らの無茶なワンマン方針を強行する常務に「結果」が出る描写がないとどうしようもない
という話なんですが、それは次の17話で描かれて…ということで次回に続きます。