デレマスアニメ22話 「The best place to see the stars.」 雑感

kage

2015/09/12 (Sat)

先に【私のシンデレラアニメに対する対応について】をお読みください。
今回ももちろんネタバレなのでご注意ください。


秋の定例ライブ

当然と言えば当然ですが、今回はこのライブがメインで描かれることとなりました。
場合によっては丸々カットして後日談をいきなり…という表現もありうるかと思いましたが、
ここではしっかりとこのライブを描き切り、それは良かったと思います。

その中でステージシーンに限って言っても、妥当な落とし所かな、という感じ。
メインのTPを丁寧に描く一方、他は要所だけ抑えて基本的にカット、というのは
工数的にも物語的にも仕方のない話ですし、メインのTPのステージが映えていたのは何よりでした。
まぁそのTPとアナスタシア以外のPKのライブシーンもあって良かったのでは…と思いますが。

そしてステージシーン以外の物語部分についてですが…これもまた妥当
という感じ。何もかもが上手くいくはずもなく、それでいてライブそのものが
完全に破綻、なんてことにもせず。まぁ13話同様にライブのプレッシャーによる
体調不良、というネタを繰り返すのはどうなのよ、という気もしますが…。
とは言えCPがかつて経験したシーンをPKに再現させることで、CPを先輩として
輝かせる、という演出にもなっているわけで、無闇な再現、というわけでもない
ですけど…。

そしてそのPKですが、常務に抜擢されたという事から、実績十分のエリート揃いかと思いきや
初々しさを感じさせるメンバーも多く集まっていたようで、そこで彼女たちに対して
感じられてしまっていた嫌味な感じはかなり軽減されたのかな、という風にも感じました。
常務に原石から育て上げようという気があったらしいというのもわかりましたし。

また、その常務についてはやはりツンデレ路線に走るのか…という感じ。
明らかにステージそのものにも一定の評価をしていながら、裏方の仕事を評価して
冬の舞踏会まで延命、という事にした、というあたりはテンプレ的な行動にすら感じます。
まぁ最後まで完全にデレやしないんでしょうが、今後どう決着をつけるんでしょうね。

そしてCPのメンバーについてですが、PKに対する先輩らしい振る舞いや、
アクシデントに対する対応など、彼女たち自身の成長を感じさせる表現は良かったと思います。
そして何より、未央のTPの二人に対する対応、ここが一番のポイントかと。
ともすれば遺恨があってもおかしくない、というか感情的に複雑なのは確実なところで、
未央がサッパリとしっかりとした対応をした、ここが大事なシーンでした。
これはここでまで散々な描かれ方ばかりだった未央自身としても大きなところでしょう。

そんな中、卯月一人だけ…ということで、異様に早いEDからの流れ、それに伴い
非常に長くなったCパートで、今回の話のもう一つの大きなテーマを描くことになります。


卯月の笑顔喪失

1話の時点から、というよりはこのシンデレラのアニメ化が発表された時点から
想定されたこの事態ですが、やはりここにきて発生する事になりました。

ライブ前から、そしてライブ中も表面上は凛を応援していて、というか本当に応援はしていて、
けれども複雑な感情はどうしても拭いきれず、そしてライブ後に凛が「今後もTPを続ける」と
いう話が具体的に出てきてしまった事で、ついにこの時を迎える事になったわけですね。

凛が悪いとか誰が悪いとか、そういう話ではなく、卯月自身の気持ち、アイドルに対する
考え方が、他のメンバーとズレてきてしまった、追いつけなくなってしまった、という話であり、
言ってしまえば卯月の空回りとも言えるもの。空回りというのは卯月には厳しい表現ですが…。

なんにしても、この事態に対する具体的な「犯人」があらわれなかったことは何より
まぁ凛がTPに加入したのが要因で、つまりは常務の方針が原因ではあるんですが、
それは「遠因」とも取れる話で、本質的にはそれが悪いわけではない、というものですからね。

まぁPがバッドコミュニケーションをしてしまった、というのもあったわけですが、
ここではバッドコミュニケーションがなければストーリーが成り立たないわけで、そこはまぁ良い
でしょう。そもそもどうすればパーフェクトコミュニケーションなのよ、って話でもありますし。

こうなると大事なのは、この事態をいかに解決するか、という話になってくるわけで、
有名アイドルの天海春香さん同様、卯月自身が一人でなんとかしてしまうのか、
あるいは凛や卯月、あるいは他のCPメンバーの助けによるのか、それともPが名誉挽回とばかりに、
「プロデューサー」として「アイドル」を導く、「アイドルマスター」の物語が描かれるのか


いずれにせよ、765で繰り返した幻影ネタの用に、今度は演劇ネタを繰り返す、なんてのは
勘弁ですし、明確に、具体的になんとかここを打開する物語を描いて欲しいところ。

ついに時計の針が12時を指し、魔法が解ける時が来てしまったという事、
この「シンデレラ」のモチーフをどう活かすのか、あるいは殺してしまうのか。
「アイドルマスター シンデレラガールズ」として映える、魅力的なシーンを期待します。
…もしここが完璧に描けたならば、私の中で地の底に落ちた2期の評価も変わるかもしれません。


制作スタッフのモラル

本編とは関係のない話であり、余談にはなりますが、無視できない話なのでここで触れます。
今話冒頭で、ライブでアイドル宛てに贈られたフラワースタンドが描かれましたが、
これが現実の声優のライブで声優宛てに贈られたフラワースタンドを模したものだった、
という話
です。これだけであれば気が効いたファンサービスというか、自身でフラスタを
贈った事のあるPとしては嬉しい話にすら感じるのですが、ここに大きな問題がありました。

現実ではジュリア/愛美さん宛てに贈られたものと瓜二つのフラスタが、
このアニメでは木村夏樹宛てに贈られたものとして描かれていた
、という問題です。

ギターの形をとった、ありがちと言えばありがちなデザイン(技術的にはもちろん凄いの
でしょうが)のフラスタとはいえ、スタッフがツイッターで「模した」と明言している以上、
「たまたま似てしまった」なんて言い訳ができるものでは全くなくなっており、
フラスタを贈ったPの気持ちを踏みにじる最低の行為、と言わざるを得なくなっています。
そのフラスタはそのアイドル/声優に贈ったものであり、他のメンバーへのものではないのですから。

これに対して「贈ったPと贈られた声優と描いたスタッフの問題。外野は関係ない」との
暴論もありますが、こんな感性で作品を作っている人間がスタッフにいるという事実が
他のPに関係がないわけがありません
。今回はたまたま「ジュリア/夏樹」だっただけで、
同じような事が他のアイドルで起こっても全くおかしくなく、自分自身が当事者になった
可能性も十分過ぎるほどあったわけでもありますしね。

実際のところ、初めは自慢げというか自信を持ってこれを描いた、ととれる内容であった
ツイートを該当スタッフは消し、反省の意らしきものを見せてはいますが、
そもそもこんな事が発生した事自体、重大なモラルの欠損以外何物でもありません

とはいうものの、じゃあ作画スタッフだけが悪いのかと言えばそんな事もなく、
結局それを通したのは監督でもあるわけで、責任は監督にもあるのもまた事実のはず。
…というか、モラルなんて話をすれば、アニメ化において絶対のタブーのはずの
「アイドルへのヘイトを溜める描写」を平然とこれまでやってきている脚本・監督の
モラルがそもそもどうなのよ
、という話で、今更感すら出てくる話でもあるんですが…。

更にもっと言えば、アイマスの「最高責任者」であるところの石原章弘氏が、モラルという
単語から最も無縁な感性の持ち主としか思えないやり方でこれまでやってきているわけで、
もはやモラルなんてものをアイマスに求めること自体が間違っている、という話でもありますが…。


まぁ余談というか話が大きくなり過ぎましたが、ビジネスを求めるあまりにアニメ作品としての
完成度を損ねているとしか思えないこのアニメを象徴するような話題だったので取り上げました。

また、そうしたモラルの問題を無視できるほどに魅力的な物語が描けていれば多少は
我慢もできる話ですが、それすら出来ていないのはここまでの物語としても明らか。
今話に限れば、「展開的に無理があった」「酷い話だった」とは言いませんが、「王道」「定番」を
描いただけであり、心が揺さぶられるような魅力的な物語であったとは決して言う事ができません


もしそれができるならば、やっぱりそのチャンスは次回にこそあると思いますし、ここでなんとか
挽回をして欲しいところ。1話の時に感じた「このアニメは凄い事になるんじゃないか」という
高い期待に、ここでなんとか少しでもいいから応えてほしい。「1話は良かったけれど…」という
アニメで終わらないためなんとか出来る、最後のチャンス
にすら思っています。