SHINY COLORS 4thLIVE 空は澄み、今を越えて。 レポート 総括

kage

2022/04/29 (Fri)

いつものようにこの総括記事で今回のライブレポートを締めたいと思います。


構成・演出

2ndと同会場でどのような座席配置、ステージ構成にしてくるのか、
というのが本ライブの一つのポイントでしたが、シンプルにセンターステージをメインに、
だった2ndに対し、メイン(エンド)、センター、両サイドと複数ステージを使い分けて…
という形で大きく変えてきたのがその「答え」
となっていました。

これにより座席による当たり外れが小さくなり…なんてことはなく、
むしろ、2ndより「どこでも納得」比率が減り、「どこでも不満」の比率が上がった、
といって差し支えないような構成だった
と思えます。

それと関連し、というか肝心のセットリストについても、オープニングとアンコールを総入れ替え、
こそありましたがメイン部分は基本的に同じであり、「Synthe-Side」毎のブロック構成を
両日で入れ替えこそすれ、そのブロック内のユニット順も、ユニット内曲順も、曲自体も不変、
というオチに。そんなブロック順入れ替えなんてものは実質何の意味もない
のですけどね。
どういうわけだか一番シンプルな「過去→現在→未来」順を避けたのも意味不明ですしね。

その中で各楽曲毎の登場ステージも動きも演出も両日全く同じ、ということについては、
両日現地参加を前提にすれば悪くはない判断と思えるのも確かですが、
しかし面白みがあるかというとそれは無い、というのもまた確かでしょう。

また、演出についても、各ユニットパート前の手紙形式のポエム紹介については
明らかに冗長で、ライブのテンポを著しく悪くしている要因にしか思えませんでした。

内容としては、1日目は過去の自分へ、2日目は未来の自分へ、というものであり、
それ自体が必ずしも悪いとは言いませんが、しかしこのライブで明確な「未来」を示さなかった、
というオチまで含めれば、全て台無し、というか無駄、無意味にすら思える演出
です。

この演出やセトリのブロック入れ替えについては、3rdでの毎度のMCでのテンポの悪さ、
全く変わらないセトリ、という事に対する批判を受けての改善、とも思えますが、
そもそもテンポは悪いままで、ブロック入れ替えも実質無意味である以上、
何の改善にもなっていない
、というしょうもない対応にしか感じられないものでもありました。

テンポ、セトリ両面に関わる点としては、両日ともにアンコール前、本編最後の楽曲で、
「最後の曲です」の前振りも無ければ、その後あるべきタイミングでのMC無しでアンコールを要求、
という構成についてももはや意味不明で、一体何がしたいかもわからないものでした。
まぁ現実的には「着替えタイム」なんでしょうが、その着替え自体がそもそも必要なのか、
という話にもなってきます。衣装もどういうわけか最新ではなく最古の共通衣装でしたしね。

その最古の共通衣装をあえて選び、そもそも両日で全「周年曲」とそのカップリング曲を披露、
それ以前に、このライブ開催までの過剰を通り越して異常なまでのプロモーション、
「今を超えて」というライブタイトル、そしてこのシャイニー自体の色々な意味での状況を踏まえ、
あらゆる条件が「次なる展開」の発表を示しておきながら、具体的には何も示さなかった、
というオチが、このライブ自体の「集大成感」の意義、価値自体を著しく下げている、
といわざるを得ないものであり、一つ一つの要素だけでなく、
大局的な意味で非常に残念なライブだった、という評価をせざるを得ない
のが辛いところです。


新情報

前述の通り「次なる展開」を示さなかったわけですが、とは言え「新情報」自体が
皆無だったわけではありません。しかし、具体的にはライブ衣装本の発売や、
既存ゲーム内の新シナリオ、新SSR、発表済み新CDシリーズの新曲、
そしてこの4htライブのBD発売…と極めてインパクトの弱いものばかり。

そんな中で最大と言えるのがシャニマス初の対バンライブと銘打った、
2会場4公演のリアルイベントですが、現時点で分かる情報は、7ユニットを2分割したライブ、
というだけであり、要するにこれまでの「ナントカパーティー」の最新版というだけ
です。

これはもちろん「未来」のトピックを初発表した、という意味ではその通りなのですが、
前述の通りのこのライブに向けての宣伝への注力、そしてこのライブ自体の演出や構成、
その全てから期待できた、させられた「未来」との落差は凄まじく大きいもの
です。

こうなると本来はアニメ化発表がしたかったがミリオンアニメが遅れているからできなかった、
というのがあるのではないか、という邪推すらできますが、結局できないのであれば、
こんなライブ構成にしたこと自体が適切でなかった、という話にしかなりません。

これ程「新情報」に失望させられたのは「765プロデューサーミーティング 2017」以来、
とは速報記事でも書いた通りですが、どうしてこうなった、としか言いようもありません。


空は霞み、今のままで。

「空は澄み、今を超えて。」というポエミィなサブタイトルが発表されたときには、
いかにもシャイニーらしいと感じると同時に、「澄んでいる」とはとても言えない現状ながら、
ライブにおいてだけでも一点の曇りもない輝きを魅せ、そしてそこで確認した「今」を
更に超える「未来」を示すのだと、そう期待せずにはいられませんでした。

そして実際にその「未来」のために過去の振り返りを含めて「Road to 4th」と銘打って
声優個々人のインタビュー動画を公開するなど、過去にない量・質のプロモーションを打ち出し、
「これまでのライブとは違う特別なライブ」であることをアピールしているように見えました。

極めつけとして、ライブ自体においても全「周年曲」を1日目に、
そのカップリング全曲を2日目に、それぞれ詰め込む形で披露する構成になり、
更にはライブのテンポを落としてでも、1日目に「過去」の、2日目に「未来」の自分へ、
アイドル個々人が手紙形式のメッセージを送るなど、「集大成感」を表現すると同時に、
具体的な「未来」がそこにあるのだと、確信さえさせる演出にもなっていました。

しかしそんなものは無かった、というのは散々述べてきた通りで、
一体何がしたかったのか、というのは何をどう考えても理解できるものではありません。

「虹」と表現する7ユニットが初めて最初からそろっての周年ライブだったから、
というのかもしれませんが、3rd時点で途中からとは言え揃っていたのも確かです。

本来は2日目に初めて25人揃うはずだった、というのもあるのかもしれませんが、
それも実際には3rdのどこかで揃っていてもおかしくない状況だったのは確かで、
そもそも現在の情勢で「25人絶対揃う」という確信を持っていたというのならば、
それ自体が間違いでしょう。要因は「情勢外」とはいえ実際揃わなかったわけですし。

また、この4thで事前プロモーションも含め、こんなライブをやったうえで5thはどうするんだ、
という問題も発生することになります。まさか「Road to 5th」として個人インタビューをまた、
なんてもはやギャグの領域ですし、セトリや演出も、集大成の「次」に相応しいものが
出せるのか、という問題を自ら生み出しただけにしかなりません。

それよりもっと大きな問題なのは、結局「今を超えて」としながら未来を示さないということが
「今のままで」良いというメッセージとしてしか機能していないことで、つまりは現状の肯定、
それをはっきり宣言したことにしかなっていないことです。

そう、とても万人ウケしているとは思えない現在のゲーム「シャイニーカラーズ」で良い、
曲を何回出しても「そのユニットらしさ」から全く脱却しない、できないマンネリ新曲体制で良い、
せめてユニット毎のリリース順くらい変えればいいのにそれすらしない謎のリリース制限で良い、
声優個々人のパーソナリティーどころかその関係性さえも売り物にする売り方で良い、
コピペワンパターンで、ライブには本来あるべき「次はどの曲か」の期待のないライブで良い、
期待させるだけさせてその期待には全く応えないライブプロモーションで良い、
そうしたメッセージを今回のライブで明確に打ち出した、そうとさえ取れるわけです。

もちろんそれで適切な収益が得られていて、それが中長期的にも望める算段が立っている、
というのならば実際のところそれを否定するほうがおかしいのかもしれません。

しかしそうした「ビジネス」だとしても、「エンターテインメント」としてそれでよいのか、と
「プロデューサー」に思わせるやり方は、「バンダイナムコエンターテインメント」という会社が、
ファンを「プロデューサー」と称させる「アイドルマスター」において真に適切なのでしょうか。

まぁ結局ビジネスでしかなく、それが成功すればそれでいいだけなのかもしれませんが、
少なくとも「アイドルマスター」がそれほど万全ではないのは、
直近だけでも「LIVE ON ST@GE!」「ポップリンクス」の例をあげるまでもないはずです。

シャイニーカラーズ自体を取り巻く状況として、タイトルの運営自体が要因ではない
不運が少なからず発生しているのは確かで、それが「空は霞み」に繋がっている、
ということもまた間違いなく、そこにある種同情の余地はあるのも確かです。

しかしだからといって運営自体が「霞み」の要因にはなっていない、とも全く言えず、
結果として「空は霞み、今のままで。」とこの4thはいわざるを得なくなっています。

3rdを終えて危惧した「『新ユニット追加』という武器をなくしてどうするのか」という
問題への答えも全く出せず、霞よりも深い、霧の中を飛ぶしかなくなった283プロ。

いつも奇跡は待ち望まないで
掴み取れる人でいたい


その「いたい」という願いが、想いが、願望までで終わらず、
実際に掴み取れる未来は、果たして待っているのでしょうか。


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この記事へのコメント

kage

レポートお疲れ様です。
私は無課金、ライブもBDが出るまで待つというスタイルなので、今でも十分楽しんでいます。
しかし、課金者や時間とお金を費やしてライブに現地参戦している人が、さらなる満足度を求めるのは当然です。
そしてそういう顧客を集めないことにはビジネスとして成立しないということも理解しています。
だからといって、どうすればいいという正解を私は持っていませんし、運営こそが正解を見つけなければいけないわけですが。
とりあえず、今回のライブは三峰の引継ぎに成功したのが最大の成果だったということでしょうか。
気長にBDを待ちます。

Posted at 00:25:47 2022/05/01 by 掛け持ちP

この記事へのコメント

kage

ゲーム本体が改善せずとも手当り次第案件投げて表面的に周知されればいい、
ユニットの枠を出ず同じルーティーンで楽曲をリリースして
周年ライブという名の新曲発表会、大きなリリイベを繰り返せばいい、

なんか運営の一挙手一投足に大きな驕りを感じますよね。
記事内でも書かれていますが現状維持で問題ないって思ってそうなのが本当に憂鬱です。。。

Posted at 02:59:57 2022/05/01 by ミカンP

この記事へのコメント

kage

Re: タイトルなし

掛け持ちPさん

今のアイマスだと余程の事が無い限り、ライブ現地はほぼ埋まるし、
それで収益も確保できてしまっているんでしょうから、
必要以上に客の声を聴く必要もない、という状態なんでしょうね多分。

声優引継ぎに関しては間違いなく成果だったとは思います。

Posted at 22:33:55 2022/05/04 by トリプルデイP

この記事へのコメント

kage

Re: タイトルなし

ミカンPさん

まだ4年、とは言えもう4年、展開の仕方が完全にパターン化した上、
そのパターンの中で最大のキモだった新ユニットを失った今、
惰性の領域に入っている自覚があるのか、というのが最大の疑問ですよね。

その惰性を打破しようとするものが今回何も出てこなかった、
ということ自体がその答え、としか取れないのが辛いところですね、本当に。

Posted at 22:38:09 2022/05/04 by トリプルデイP

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kage


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