第2話 “準備”をはじめた少女たち Bパート

kage

2013/11/22 (Fri)

さて舞台は765プロに。いきなり謎のオッサンが登場するわけですが、
自らを記者と名乗ることで、そのキャラクターをちゃんと説明してくれます。後に判明する名前、
ゲームでは女性記者であった善永記者とひっかけての善澤記者なわけですが、
ここでストレートに善永記者にしなかった理由としては、女性にしてしまうと変に人気が
つき、アイドルを喰う可能性が出てしまう
ことと、中年男性であることで、社長の
知人として描きやすく、弱小765プロに敏腕記者がつく、という理由づけもしやすいなど
便利キャラとして扱いやすい、といったあたりになるのではないでしょうか。

そしてここでの見せ場はもう一つ、小鳥の妄想シーン。

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ここまではかなりマトモな大人の女性として描かれてきたわけですが、ここで本来の
キャラクター性がきちんと表現される
ことになるわけです。…別に本来マトモじゃない
わけでもないですが、こういった妄想癖こそ小鳥の個性ですからね。

舞台は再び撮影現場。ようやく落ち着いたロリカルテットが、Pの話をきちんと
聞く場面になります。ただ、話といっても「一緒に考えてみる」とするあたりがうまいところ。
Pの未熟さと彼女たちを尊重する姿勢、その両方がこれで描けているわけです。
「これこれこうすべき」なんて具体的な話をしても彼女たち、特に伊織はそれを受け入れる
はずもなく、またPのキャラクターとしてもこの時点では少しおかしいわけですね。
ロリカルテットから見れば大人でも、まだまだ新人プロデューサーなんですから。

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そしてそこで登場するのが美希。「でこちゃん」「でこちゃん言うな!」のやりとりで
この二人の関係性が少し垣間見れるわけですが、ここでポイントになるのは、
この二人が同い年であること、でしょう。コドモっぽい振る舞いをしてしまった伊織に対し、
しっかり自分というものを持ち、大人に見える美希。その美希のツッコミは伊織には
かなり堪えたはずです。同じことを律子あたりに言われたとしても、
同じ反応は伊織はしなかったんじゃないでしょうか。このあたりがいおみきの関係性ですね。

さてその美希はカメラマンに注文を付け、見事な被写体として輝きます。

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これは伊織との比較であると同時に、美希のアイドルとしての天才的なセンスも描いています。
1話では寝てばかりでしたが、美希の凄味がここで表現されるわけですね。


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続けて春香貴音、と撮影が続いていき、それぞれの個性を見せていきます。
そんな中で伊織がコメントするのはに対して。このメンバーの中では伊織は特に
意識している
、ということがうかがえるわけです。実際この二人はしょっちゅう喧嘩を
しているわけですが、お互い本音でぶつかりやすいからこそのもの。本当に仲が悪いわけでは
なく、お互いをきちんと認め合っているが故です。これがいおまこの関係性ですね。
ここでコメントするのも、今後描かれるそうした関係性を匂わせるため、でしょう。

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そして雪歩の撮影を通して、Pと会話をし、ちゃんと「いっしょに考え」るわけです。
そして最終的にはシャルルといっしょに、となるわけですが、その答えの導き方にしても、
Pが強引に、ではなくて、やよいと一緒に、という形にしたことで、伊織のプライドを傷つけず、
しっかりと「考えた結果」というところに落としこんでいわけです。
こうしてみるとPは初っ端から相当の敏腕っぷりを発揮しているわけですね。

そんなPはうまく笑えないという千早に対してもアドバイス。ただ、これにも千早は不満顔で、
まだまだ千早はPへの信頼がないことがここで表現されています。

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最終的には撮影は無事終了。やよいあずさから受けた言葉を聞いて「いつも通り」が
きちんできたから、というのも大いにあるでしょう。そしてその出来あがった宣材写真に対し
美希が「ふーん」というあたりもなんとも印象的。失敗を受けた後の成功だけに、決して褒めは
しないのが美希らしいですね。一発で成功していれば、美希は褒めていたはず。このあたりは
美希の配慮というか、伊織のプライドを守るための彼女なりの気遣いなんだと思います。
それは多分意識的に、ではなくて自然なこととして、なんだとも思いますけどね。

そして宣材写真の成功をやよいがPに伝えるわけですが、伊織もここできちんと反省を
見せるわけです。ただ、Pの「苦労した甲斐があったな」に対する「まあね」と、
やよいの「楽しかったね」に対する「そうね」の温度差というのはまだまだ大きい
もの。
今回の件で伊織はPに対し一定の評価を下し、信頼を持ったわけですが、
それでもまだまだそれは絶対的なものではない、ということのあらわれですね。
もちろんツンデレ的な意味での冷たげな「まあね」である、ということもあるでしょうが。

最後はPとやよい伊織のトリプルハイタッチでこの2話は締めとなるわけですが、
ここで描かれる全員での集合写真に律子がいない、というのはなんともひっかかります。
ストーリーの都合上は当然こうで、ここに律子が入るわけはないのですが、
どうしてもこの描き方は私個人としては気持ちよく見ることはできないわけです。
そしてこういうシーンは今後何度となく描かれる。この辺がアニマスの評価の難しいところです。

エンディングはやよいおりの「ポジティブ!」になり、ここで「毎回EDが変わる」ということが
はっきりわかるわけです。「曲を出し惜しみしない」ということも、ですね。
そして曲自体は二人でも、絵で描かれるのは伊織のみ。これにより、見ようによっては
「ロリカルテット回」だったこの2話は、「伊織回」であったことも明らかになります。
そうやってみるとやや「伊織回」としては物足りなさも残るんですけどね。

また、ここで描かれていくのは幼いころの伊織の姿なわけですが、セレブな生活の中に、
家族内における孤独感と、シャルルとの深い関係性
というものになるわけです。
水瀬家についてアニメで深く描かれることはありませんが、伊織を語る上では決して
外せない部分。このエンディングで軽くでも触れられることに、意味があるわけです。


というわけで2話は以上。全体の紹介回であった1話からいきなり個人回になったわけで、
唐突感もあり、伊織個人の掘り下げは正直やや足りなかったようにも思えます。
それこそ、家族の話なんかがあるほうが伊織の掘り下げにはなったはずです。
この2話という位置でそんなに重い話もできるわけもないんですけどね。あるいは、
PS3版「2」のエクストラエピソードのように、竜宮小町のリーダーとしての伊織
という描き方でもシナリオはきちんと組めた
はずです。ただ、それはゲームと被って
しまうし、アニメ版はゲームの再現版ではない、と言う意味合いを込めて、こうした
描き方になったのでしょう。しかしそれ以上に、ここに伊織回が来た理由はあると思います。

そもそもなぜこの2話に伊織回が来たのかと考えると、一つは竜宮小町の存在が
あります。これは6話で結成されるわけですが、その前に伊織回を持ってこないと、
Pとの関係性が描きにくくなってしまう、ということがあるわけです。竜宮小町のPは
律子ですからね。そしてなぜ伊織とPとの関係を描く必要があったのかというと、
伊織というキャラはいきなり現れたPを初っ端から信頼するわけもないので
その「信頼」をPが勝ち得るまでのストーリーが描ける、ということがあるわけです。

これは次の3話の雪歩や4話の千早も同様で、例えば春香やよいではこうした
ストーリーは描くことができないわけです。このストーリーを描くにあたっては、
この3人が最初の3話分で取り上げられるのは必然だったわけですね。

もう一つ別の側面から見ると、新規視聴者層を掴む、という役割もあったと思います。
これはズバリ、釘宮さんの存在です。他の声優陣と比べ、個人では最も人気と知名度が
あるわけで、このままアイマスを視聴し続けるかどうかという視聴者の心をつかむには
これ以上ない人選、ということですね。釘宮さんがやってるならみてみよう、という人が実際
どれだけいるかわかりませんが、他の声優陣よりはそのパワーがあるのは確かなはずです。

ちなみに、このアニメの収録自体、2話と3話が先に行われ、その後に1話、という形に
なったようです。これはまず「日常」を演じ、慣らした先に「1話」を表現したかった、
ということのようですが、もしかしたら釘宮さんがまずメインで収録してもらい、その姿を
他の声優陣にも学んでもらいたかった、ということもあったのかも
しれません。
「アイマス収録」はみな手慣れていても、「アニメ収録」における経験には差があるはずで、
最も「アニメ収録」の場数が多い釘宮さんの姿勢を参考に、という感じで、ですね。
とはいえ流石にこれは考えすぎでしょうかね。声優陣はみんなプロフェッショナルなわけで、
いくらなんでもそこまではやらないか…とも思えますが、真相は不明です。

とにかく、1話を受けての2話はこれにて完結。「伊織回」としては物足りなくとも、
トータルで見た場合の「2話」としてはしっかりつくられていたと感じられます。



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