第21話 まるで花が咲くように Bパート

kage

2014/01/07 (Tue)

Bパートは観客達がどよめく中、ステージに千早が一人立つところから始まります。

社長も思わずかけよろうとしますが、千早はここで「約束」を思い浮かべ、そして音のない、
アカペラのまま「眠り姫」を歌い始めます。まるでこれが最初からそういう演出であったかの
ようにすら思える圧巻の歌声に酔いしれる観客
。一方のジュピターはリハーサルでは
音があったのに…という事に気づき、冬馬はこれも黒井の策略だということを確信します。

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そして音響担当もその歌声に圧倒させられ、プロ意識を取り戻したのか、音を入れる
ことを決意。ここでPは「できるんならやれよ」とか言わずに「ありがとうございました」と
言える、というあたりは流石に大人
。黒井の策略だと分かっていたからでもありますけどね。

音が入った千早の「眠り姫」はさらに圧倒的なクオリティとなり、観客を熱狂させますが、
黒井は当然これに激怒。というところでジュピターの三人が立ち塞がり、「もういいだろ、
これ以上」と話しますが、全く黒井には通じず、掴みあいの喧嘩にまで発展。
冬馬達の正義と黒井の正義は全く異なる、ということで「潮時」とし、ジュピターは
961プロからの離反を宣言。これには流石の黒井も動揺したようで、負け惜しみにしか
聴こえないセリフを吐き残し、高笑いしながらジュピターの元から去っていきます。
ありとあらゆる描写が小物にしか見えない黒井、これはこれで凄いですね。

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そしてその黒井の前に現れたのは高木社長。765プロのアイドル達(の看板)を背負う
高木と、ジュピターも何も背負うもののない黒井
、という描き方は絶妙な演出ですね。

一方の千早は「眠り姫」を見事に歌い上げ、アウェーであるはずの観客を完全に虜に。
そして歌い終わり、ステージ裏に戻ってからも皆から絶賛される、というところですが、
ここで千早は改めて春香に感謝を伝えます。これには春香も涙腺を緩めるところ。

さてフェスも終わって帰社の準備、というPのところに、ジュピターの三人が訪れます。
そして冬馬がこれまでの謝罪と、黒井プロからの離反を伝えるわけですが、この
素直さというのは冬馬らしい姿。Pも当然怒るなんてこともなく、その言葉を受け止めます。
そしてここで北斗が余計な一言を…一部の人は大喜びでしょうが。

そして765プロ一行は2台の車に分乗して帰社しようとするのですが、ここで
Pの運転する車には社長のほかに、春香美希千早やよい伊織が乗る形。
つまりは律子が運転するもう一方には雪歩あずさ亜美真美貴音が乗っている、
ということになり、中々バランスがいいというか、分かりやすい組みわけですね。

さてここで社長は何やら老人臭いセリフを吐いた後、「いいところに招待しよう」と
話すわけですが、ここで表情を輝かせるやよいはかわいいなぁ…

そして招待されたのは高級感漂う大人のバー、といった感じのお店。ここで「政財界の
大物」を見抜ける伊織は流石、というべきところでしょうね。

さらにここで一行はカウンターで善澤記者と黒井が並ぶ姿を目撃するわけですが、
そこで表情を曇らせた千早を一目見た伊織は怒りを露わにし、黒井に駆け寄ろうとしますが、
それをP、そして千早が止めます。伊織は一見やよい一辺倒にも思えますが、そんなことは
なくて、765プロのメンバー誰をも大切にしている
、ということがはっきりとわかる描写で、
非常に嬉しい描き方。一方の千早伊織を止める際の、そして感謝する際の言葉であり、
表情でありというものが非常に柔らかく、優しいもの
。これは20話、そしてこの21話前半を
受けてのもので、それ以前ではこうはいかなかったはず。それに対して照れる伊織、というのも
また伊織らしさの出ている、非常に良い描写だと思います。

さてP達はテーブル席に着くのですが、高木はカウンター席、黒井の真横に座ります。
絶縁関係にも思えた二人ですが、こうしてみるとそんなことはなかった、とわかるわけですね。
黒井側からは強烈なライバル心を感じますが、高木側からはそうでもない、ということも。

そしてここでフロアが暗くなって…というところでシンガーとして出てきたのはなんと小鳥
これには春香だけでなく、視聴者も大いに驚かされるものでした。もちろん小鳥にも持ち歌が
あって、それも非常に高い評価を受けているものでしたが、まさかここで出てくるとは…。

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ここ歌われるのは「花」。この大人のお店に非常に合った雰囲気の優しく穏やかな楽曲で、
心地よく響き渡るんですが、ここでカウンターの片隅にある写真に、若き日のバーのマスター、
善澤、高木、黒井、そして小鳥に良く似た女性が映っている、というシーンが描かれ、
非常に意味深なものとなります。この写真についてはここでも、これ以降でも何も明かされない
わけですが、アイマス最大の謎、「小鳥の過去」に直結するもの
で、興味深いところ。
これについては今後アニメ、というかアイマスコンテンツ内で描かれる可能性は決して高くなく、
想像にお任せする、といった類のもののはずで、妄想がかき立てられますね。

また、ここでの高木と黒井の会話も印象的。「変わったのは私のほうだったな」と述べるのは高木。
以前は同じ事務所にいたであろう高木と黒井、各々事務所の経営状態になぜかくも
差が開いたのか…ということを考えると、やはり高木のほうが元の事務所を離反した
ということになりそうで、だとすると高木もまた若き日には黒井のようなプロデュースを
していて、それは小鳥の…
という感じに妄想が展開できてしまうわけですね。

「アイドルとの信頼」を謳う高木と、それを馬鹿にする黒井。ジュピターに対して高木に
何が分かるのか、という気もしますが、「良い子たち」と見抜ける眼は流石、といったところ。

黒井も善澤の言うとおり、「根が悪い奴ではない」のかもしれず、彼なりの正義を貫いている
というのはわかりますが、犯罪じみたこともしているわけで、まぁ擁護はできないでしょう。

また、高木はP達のテーブルに来て、小鳥について話をするのですが、「歌う楽しさや喜びは
人それぞれ」というセリフも印象的。小鳥のことはもちろん、千早や、そして765プロのアイドル、
全てのアイドルをも包括したようなセリフで、非常に重みのあるものです。

その後一行は小鳥とともに帰社、ということになるのですが、美希春香は「小鳥
アイドルになろうと思わなかったのかな」と話します。どれだけ歌がうまくとも、美人で
あろうとも、それが「アイドルになる」ということと直結するのは少し短絡的過ぎる
感も
ありますが、これは美希達がアイドルで、小鳥がアイドル事務所で働いていて、という
あたりまで鑑みればそれほど不自然ではない考え方、といったところでしょうかね。
この世界のアイドルと現実世界のアイドルではやっぱり何か違う、というのもありそうですが…。

そしてPも「アイドルも夢じゃなかったんじゃ」と小鳥に訪ねますが、それを小鳥は大人の
返事で切り返します。やはり小鳥の過去は謎に包まれたまま…というところですね。

ここではさらに千早が「アイドルって何かしら」と春香美希に尋ねます。ここで春香
即答できませんが、美希は「キラキラーって輝いてる人」と即答。この「アイドル観のあり方」の
違いが23話で非常に重くのしかかってくるところになる
わけです。そしてここでは千早
「人の心に幸せを届けることができる人」と定義して、それを自分は歌で出来るようになりたい、
と話します
。これもまた20話、そしてこの21話前半を受けての成長、というところですね。

最後は小鳥が「みんながトップアイドルになってくれること」が今の夢だと語り、そして
それを言ってもらえたアイドル達(といっても小鳥の話が聞こえたわけでもありませんが)が、
打ち切り漫画が如く走り出して…
というところでエンディングへ。

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エンディング曲も小鳥の持ち歌、「空」。帰社後、各々帰宅するアイドル達、そして社員一同の
姿を描いたイラストをバックにかかるこの曲。小鳥の優しく温かい歌声が、アイドル達への
メッセージとして響き渡るような楽曲として仕上がっていて、非常に高い評価の曲です。
「半小鳥回」であったこの21話にこれ以上相応しい曲はなく、美しく締めくくってくれます。


さてこの21話。前半は20話に引き続いての実質の千早回、ということになっていて、これだけで
もう私としては評価し得ないものになってしまっているのですが、その話の構成自体が
非常に不自然なものばかり
、ということもあって、全く評価の出来ないものとなってしまいました。

「眠り姫」のアカペラであり、ジュピターの離反でありといった細かなパーツパーツは印象的で、
上手く描けていると思うのですが、それが全くうまく配置されていない、という感じですね。

一方の後半、小鳥回とも呼べるBパートは中々の出来かと。結局小鳥や高木、黒井の
過去はハッキリとはわかりはしないのですが、これは前述の通りアイマス最大の謎として
あえてボカしたままにする、というほうが美しく、それがうまくできていると感じるからです。

小鳥の扱いにしても、丸々一話を「小鳥回」としてしまっては「やり過ぎ」と感じてしまった
はずで、この「半分」という扱い方も非常に良いバランス
。違和感なく見ることができました。

この21話は、山場となった20話の千早回から終盤のラストスパートへ向けてのつなぎ、
という意味合いを持つ話であったと思うのですが、その役割はこなしつつも、やはり前半の出来が
どうにも…という感じで及第点にも届かず、という感じ。もう少しなんとかならなかったんですかね。



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