第24話 夢 Bパート

kage

2014/01/15 (Wed)

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Bパートは昼日中から自宅の自室ベッドで虚ろな目・呆然とした表情で仰向けに
倒れている春香の姿からスタート。カーテンを閉め切っていることなども含め、
春香の現在の心理状態の、重々しさ、痛々しさを強く感じられるシーンです。

さてここで母親から「お使いにいってきて」と言われるわけですが、一連の騒動と
その顛末によって春香が休養状態になってしまった事、これを家族にはどのように
話したのか、というのは気になる
ところ。社長がきちんと話したんだと思いますが…。
この辺について詳しく描く尺なんてものは当然ないでしょうし、難しい場面。
春香というキャラクターのパーソナリティーにとって家族という存在は大きな意義を
もたない
ため、ここをサラッと描けた、というのは逆に良かったのかもしれません。
ここで「少し外の空気でも吸ってきたら」という母親の気遣いは、流石母親、ですね。

春香は母親のお使いに出かけるわけですが、その心中は「どうしたかったんだろう」
「どうしてアイドルになりたかったんだろう」と思い悩むところとなります、街中で
女子校生が「アイドル天海春香」のインタビュー記事を読むシーンもあり、現在の
春香の状態との対比が、ここで痛々しいまでに描かれる
こととなるわけです。

そんな春香は街中で男性とぶつかってしまうわけですが、その相手は冬馬。
冬馬は春香が休養中であることを知らないようですが、これは冬馬が(忙しくて)765プロの
状況になど目にも暮れていないのか、それとも春香の休養自体がまだ大きなニュースに
なっていないのか、というあたりは判断がつきにくい
ところ。元々ゴシップ記事があった
とはいえ、千早のときは大騒ぎしていたマスコミですからね…どうなんでしょうか。

とにかく、冬馬は春香の様子を見て、あまり元気がないということだけは理解できた様子。
そこでジュピターのライブに来るように誘い、さらに、事務所を移ったこと、それによる心境の
変化、というものも語り出します。さらに冬馬は765プロから「団結力」のあり方について
学ぶところがあった、と言い出し、これを聞いた春香も気持ちに変化が訪れることになります。
こういう状況においては第三者からの意見、評価というのが効果的なんですね。

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さて、千早は入院中のPを訪れます。全身包帯だらけのPはなんとも痛々しい姿ですが、
そんな状態でも千早の話を聞こうとする姿勢は流石P、といったところでしょうか。

そして千早は話し始めるのですが、それは現在の765プロ、春香のことをそのまま話すのでは
なくて、「ある家族の話」として比喩的な話に。千早からすれば765プロが家族である、という
ことはわかるのですが、果たしてこんな話し方をする必要があるのか…というのは引っ掛かる
ところ。もちろん千早の血のつながった家族との対比、という意味で話していて、Pにも
それは伝わっているわけですが、変にオブラートに包んでも仕方ないような…。千早
コミュニケーション能力不全が完璧に克服されたわけではない、ともみれるシーンですね。

また、ここでPはみんなを信頼し「大丈夫」と言い切るのですが、これは強い信頼がなせる
業であるの果たしかですが、同時に結構投げやりな感も…。少なくとも春香がダウンしてしまった
という事実、そしてそこに至るまで誰もフォローできなかった、という事実があるわけで、
その上で「家族なら、大切なことちゃんと伝えなきゃ」という言葉に留まるのも、ちょっと
どうかと。
結果オーライにはなりますが、その信頼の厚さは諸刃であったわけですからね、

とにかく、千早律子、そして社長にかけ合って春香を除く765プロのメンバー全員をレッスン場に
集めることに成功します。社長にまで話せば何とかなる、ということのあらわれでもあるんですが、
こうなると春香が社長を全然信頼し、頼れてなかったのではないか…とも思えてしまいます。
もちろん普通は社長にではなくてPに話すべきで、それすら春香はできていなかったわけなんですが、
遠慮深いというか、色々背負い過ぎた結果それができなかったので、これはいたしかたないですね。

それにしても、雪歩たちがあまりにも能天気というか、春香のことまで頭が回っていない、
とみえてしまう
のはどうなんでしょうね。Pの信頼に全く応えられていないとしか思えません。

さて、街の中を一人歩く春香は公園で言い争いをする幼稚園児たちと出会います。そして
園児達に春香の正体がバレてしまい、求められるままに「自分REST@RT」を歌うことに。
この歌は幼稚園児が歌うには結構難しいような気がするんですが…上手なものです。

そして春香はその園児達がまるで765プロのみんなであるかのように見えてしまい…という
ことで、そのうちの一人を春香自身の幼少期の姿と重ね合わせる、というか幼少期の春香
そのものになります。その幼春香が言うのは「アイドルになってみんなで楽しくお歌を歌う」と
いうもの。そして春香はその幼春香を連れて電車に乗って…というところになるのですが、
これをそのまま受け取ってしまうと、ただの誘拐犯、ということになってしまいます。

もちろん実際にはそんなことはなくて、幼春香はあくまでもイメージで、その時の夢を、
想いを持っていく、という描写
のはずなんですけどね。あるいはもしかしたら、春香に限らず
他の全ての園児たちもまた想像上の産物、という風に取ることだってできてしまうシーンです。

一方の千早は、かつて765プロが当たり前にできていたことが今はできなくなってしまったこと、
それが決して悪いことではなく、仕方のないこと、そう春香が思っていたから何も言えなかった
はずだと話します。それを受けて初めて「練習がしたい」だけではなくて「みんなといっしょに」が
あったのだと他のメンバーは気づいたようなんですが…これではあまりにも諸々酷すぎます


これは他のメンバーにはそんな気持ちが全然なかった、ということのあらわれで、春香
気持ちにも気付いていなかった、ということをもあらわしています。これでPからの信頼も、
冬馬の言う団結も、絆も、なにもあったもんじゃないではないか…
ととれてしまいます。
の言う「ボク達が気付くべきだったんだ」とはまさにその通りなわけですが、これは完全に
シナリオの都合で無理矢理団結を一時的に壊されてしまったようなところで、上手くない
ものです。

とにかく、千早春香だけではなくて自分からの願いとして、765プロを家族と考えているから
こそ、諦めたくない、力を貸してほしい、と話すわけです。ここまで言わないといけないんですね…。

さて、ここで美希律子が遅れてやってきます。「生っすか」の後番組の単独MCの話が美希
きていた、ということなんですが、美希はそれを断ったと話します。そしてその理由を「迷子に
なっちゃいそうだったから」と説明。それは春香の姿を、言葉を受けたから、というもので、
アイドルとして突っ走る美希にとっても「家族」たる765プロが何よりも大事で、それを見失っては
いけない、ということを認識したから、ということ。春香の想いは届いていたわけですね。

そしてここで春香の新曲バラード、「さよならをありがとう」をBGMに、13話でのライブ会場に
春香幼春香を連れて訪れる、というシーンへと移ります。団結の賜物であったあのライブを
思い出すことで、自分がアイドルとしてどうしたかったのか、ということも思い出す
わけです。
その「みんなといっしょに」は、もしかしたら他のメンバーの負担になるかもしれない、という
思いもあって、それを無理強いできなかったと吐露しますが、それを幼春香、ではなくて
13話ライブ直後の春香自身が「大丈夫。みんなことのを信じているから」と今の春香
強く励まします。本当に信じられるのは自分自身、ととれてしまうシーンでもありますが…。

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そして春香は走って事務所を目指すわけですが、街中のモニターには生中継でライブの宣伝を
する他のメンバーの姿が。そしてみんなは春香へのメッセージを次々に口にするわけですが、
これを春香が見てなかったらどうするのか、とか、事務所のホワイトボードが映っていて
スケジュールを公開しちゃってる、とかいうのは野暮
、とも言うべき感動のエンディングに
つながっていくわけです。「まっすぐ」というこの上ない楽曲を使って、ですね。

このエンディングで描かれるのは、1話からの765プロの団結シーンを中心にした場面。
13話のエンディングとも似ていますが、「団結」がよりフューチャーされた編集ですね。

そして最後は「ただいま」と事務所に戻った春香をみんなが「おかえり」と出迎えるシーンに。


この24話は23話から続く春香回、というかストーリー最後の山場であり、見ていて非常に
辛いシーンから、それを全て克服できるような感動のシーン、というところが描かれています。

しかしながら春香以外のメンバーの、状態の認識力、春香への共感力、団結力、こういった
ものが全てシナリオの都合で打ち消されたということ、20話の千早同様に、幼き日の幻影という
ものを春香にも使ってしまったということ、そして春香の立ち直りのきっかけが結局Pでも
他のメンバーでもなくて、自分自身であること
、これらから、厳しい評価にせざるをえません。

23話のラストの事故でPを離脱させたこと、これによって追いつめられる春香、というものを
より顕著に描けているのは確かなんですが、そもそもアイドルマスターという作品自体、Pと
アイドルとの信頼であり、絆でありというものが非常に大事
になってくるはずでしょう。

もちろんアイドル間の信頼は大事で、アニメではそれが特に大きいのですが、春香が一人で
立ち直ってしまったことで、それすらも危うくなってしまっている、というのはいただけません。

「アイドル」について思い悩む春香、それ自体は非常に良いテーマで、ラストを飾るに相応しい
もの
でもあると思います。しかしながらそれを肉付けするパーツの仕上がりがあまりにも…というのは
20話以降ほとんど一貫してそうなのですが、評価しがたいところとなってしまいます。

この終盤の展開の評価は、このアニメ自体への評価に直結するところでもあるわけですしね。



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