アニメ版 アイドルマスター キャラクター別 総評 前編

kage

2014/01/21 (Tue)

さて今回はアニメにおける765プロのメンバー達の描き方、それについての印象に
ついて、一人一人見ていこうと思います。あくまでも「描き方」なのがポイントです。
また、「765プロのメンバー」なので、アイドル達だけでもありません
とはいうものの、前編となる今回はアイドルのみ、8人を紹介。


天海春香

説明不要のアイマスのメインヒロインで、このアニメにおいてもメインを張りました。
とはいうものの前半はあまり目立つこともなく、個人回であるはずの11話も
春香回」であるとはあまり感じないもので、それが逆に「春香らしさ」でもあったと思います。

しかしながら13話という山場で存在感を発揮したことなどで、徐々に765プロのリーダー格へと
成長し、20話以降は完全に主人公といってもいい描かれ方となりました。

もっともこの描き方はどうなのか…というあたりは前回書いているのですが、
とにもかくにも、「主役」を張るのが誰か一人だけならば、それは春香しないないわけで、
その意味では完全におかしい描き方、とまでは言えないとは思います。

とはいうものの、このアニメの春香というのはゲーム等に比べて、あまりにも
聖人過ぎる
というか、「いい人」過ぎるようにどうしても感じてしまうものでした。

本来の春香は「明るく元気」なはずですが、アニメではむしろ「優しく健気」という印象が強く、
そこにやや違和感を覚えることも。また、Pに対する感情に一切の恋愛的なものがない、
というあたりはアニメのシナリオ的にはまぁいいのですが、もう少し俗っぽさというか、
年齢相応のおフザケ感、というものも春香にはあってしかるべき
だと感じられました。

さらには、「みんなといっしょに」を一人だけ、必要以上に求め過ぎる、という姿も
ゲームからの乖離は大きく…
まぁこれはゲームとアニメというメディアの違いもありますけども。

とにかく、扱いとしては当然のごとく一番良かったことは確か。しかしながらそこで
描かれる姿がなんとも微妙で…ということで、アニメの春香は決して高く評価できる存在では
ありませんでした
。11話での描き方は非常に良かっただけに、終盤が足を引っ張ってしまった、
そこが悔やまれますが、存在感自体は十二分に発揮してくれたとは思います。


星井美希

春香と並ぶもう一人のメインヒロイン、ということで、扱い自体はとても良いものでした。
とはいうものの、その「優遇」っぷりは春香千早に比べるとかなり抑えられていて、
非常に自然な姿で描かれていた
と感じ、そこについては非常に高く評価できます。

美希の個人回というのは12話だけ、となっていて、そこで美希自身の成長もほとんど
描き切ってしまう。これが出来たことで、春香千早のように終盤に再度の個人回、という
ことにもならず、嫌みがなく見れた。ここは私としては何より大きいところです。

もちろん劇中での「アイドル」としてのオーラであり、カリスマ性であり、というものは
他のメンバーから群を抜いたもの、として描かれたわけですが、それこそ「個性」の
範囲内に過ぎず、美希のパーソナリティーとして機能していた
、というレベルでした。

また、美希は後半いわゆる「覚醒」モードとなってPをハニーと呼んでベタベタしはじめますが、
これも嫌みなく、他のメンバーとのバランスもうまくとれたレベルとなっていて、そこもいい感じ。
もっとも、ここはPの描き方がいい、というほうが強い部分でもあるんですけどね。

ただ、終盤は春香と相対する存在として描かれるわけですが、ここがあまりうまくない感じ
というのは、ここで春香が「主人公」と化してしまうことで、「ライバル格」の美希
どうしても良い存在には見えなくなってしまう
、というものになってしまっているのです。

思い悩む春香に対して、「アイドル」を貫く美希、というのは美希らしさもありますが、
しかしながら視聴者はどうしても春香の側に立って見てしまうがために、美希のその
「らしさ」が「嫌な部分」にすら見えてしまう
、ここがどうしても気になってしまいます。

春香に割いたリソースをもう少し美希側に割いていれば、23話・24話もまた違ったものに
なり、完成度はより上がっていたのではないか
…そう思えて仕方ないところです。

春香と並ぶメインヒロインでありながら、かなり扱いに差がついてしまったのは残念。
終盤に春香との対比を描くのなら、やはり美希側の描写がもっと必要だったはずです。


如月千早

千早はメインヒロインという扱いではありませんが、アイマスの各種展開においてはそれこそ
「ヒロイン」的存在として、「センター」春香、「エース」美希と並ぶ扱いを受けてきました。

それはこのアニメにおいてはより顕著で、必要以上に伏線を張りまくった上での20話、
さらに次の21話まで実質延長戦、という形となっていて、下手をすれば春香以上の扱いです。

もちろん千早のシナリオというものは、「死」を扱うこともあって非常にシリアスになり、
アニメにおけるストーリー終盤の山場として非常に扱いやすい、ということはあると思います。

とはいうものの、他のメンバーが基本的に個人回1話ぽっきりでその魅力を描かないと、
ということでやっている中で、これほどまでに優遇されて描かれる、というのはやはり
見ていて気持ちのいい描き方とは言えないものとなってしまっています。

評価の高い20話にしても、マスコミの騒ぎ方云々を置いておけば、私も単体で評価できなくは
ありませんが、そこに至るまでがどうしてもうまいとは言えず、難しいところです。

ただ、千早というキャラクターのパーソナリティー自体は少なくとも春香よりはきちんと
描かれているように感
じ、そこに関しての違和感、というものはほとんど感じませんでした。

そうなるとやはり扱い方が…というところで、そこがネックになってしまっています。


高槻やよい

やよいの個人回は7話。この回はやよいのパーソナリティーにとって非常に重要な部分となる
「家族」にスポットが当てられたものです。Pとの関係性という部分が不足しつつも、それを
補って余りある回となっていることで、やよい本人の描写もよい、と言いたいところですが…
10話という存在がその7話を全て打ち消し、ということになってしまっています。

さらには続く11話でも弱々しい描写となってしまっていて、連続でこういう風に描かれてしまうと、
やよいというキャラクターの「弱さ」ばかりが目立ってしまう、そんなことになっていましました。

やよいは何よりも明るさがウリで、もちろん弱さもあるにはありますが、なによりその「元気」こそ
一番のポイントなはず。しかしながらその「元気」がしっかり描かれた回は実はなく…
という感じになっていて、どう考えても描写不足、といわざるをえません。

さらには、良くない描き方ながらも10話、11話で目立つ立ち位置であったものの、後半になると
それすらなし、となっていて、もはやモブが如く、それくらい厳しい扱いに思えます。

やよいのキャラクターだとどうしてもジュピターとの対立や、終盤のシリアス展開では扱い
にくい
、ということはあるんでしょうけども、だからといってこれではあまりにも…というレベル。

個人回にこそ恵まれましたが、それ以外はサッパリ。新曲も与えられなかった、というのも
やよいだけではありませんが、良い扱いではなかったことの象徴にすら感じてしまいます。


萩原雪歩

個人回は3話という早い時期に出てきたわけですが、これは雪歩というキャラクターを
描くにあたって、ストーリーの序盤にやっておかなければ色々マズイ、ということからでしょう。
そこでの描き方がベストだったとは思いませんが、悪いとも言えないものだったと思います。

ただ、やよい同様、その後がやはりうまくない。11話ではやよいと同様の扱いとなったものの、
貴音との絡みのシーンもあって、やよいよりはうまく描かれたのではないか、と思います。

しかしその後に何かがあったかというと、やはり何もありません。13話のライブのウィンク、
15話の暴走、22話の誕生日、23話のライブシーンなど、要所要所で見せ場はありましたが、
それで雪歩のパーソナリティーを描ききれたとはとても思えず
、やはり描写不足。

「成長」がパーソナリティーとして重要な雪歩だけに、「Little Match Girl」以外でも
その成長ぶりを見せてほしかったものですが、そうはなりませんでした。

声優の交代もあってただ一人「First Step」というオリジナル曲を持ち、言わば「特別扱い」だった
「2」とのバランスも考えればいたしかたなし…
かもしれませんが、物足りなさは否めません。


菊地真

監督のお気に入りということもあってか、メインの3人に次ぐ優遇となりました。
8話のあずさ回では、そのあずささえも喰いかねない活躍を披露し、10話でもまるで
個人回が如く大暴れ。そして満を持しての17話、個人回では最高クラスのクオリティ

春香千早には及ばないまでも美希よりも扱いがいいのでは、というくらいの待遇です。

さらには5話、22話においても春香伊織との会話のシーンで、シナリオの本筋とも
言える重要な部分にきっちり関わってきていて
、もはや4人目のメイン格、とすら感じるレベル。

それだけの描写がされながらも、のパーソナリティー自体にも違和感あるものは
特になく、8話、10話での勇ましさと、17話でコンプレックスに悩みつつ、解決していく姿、
そして5話、22話でシリアスな展開にも絡んでいけるキャラクター性、どれをとっても文句なし。

13人を平等に描くのは不可能でも、それこそ春香千早の優遇がなければ、全員をこのくらい
うまく描くことはできたのではないか、そんな風に思えてならず、その意味ではこのアニメで
最も理想的な描かれ方をしたキャラクターだと言っても過言ではないでしょう。


双海亜美

個人回は真美と二人で9話1回分、ということには文句はありません。もちろん亜美真美は別の
人間で、別々に個人回があってもいいものですが、この二人に関しては、二人で一つでもいい。
「ふたりだから出来ること」のタイトル通り、二人が一緒だからこそ、やはり輝くのですから。

亜美については竜宮小町入り、というのがなんといっても重要なポイントとなってきます。
これについてはゲームに準拠、ということろで、「なぜ真美じゃなくて亜美なのか」をここで
論じてもどうしようもないことなのですが、とにかく、そこが真美との差になっています。

竜宮小町としての亜美は、仕事に対して非常に真摯に取り組んでいるように映ります。
これは「真美ではなくて亜美が選ばれたのだから」という気持ちがあってのものだと思え、
そこまで鑑みれば、おフザケが少ない亜美、というものも決して違和感はありませんでした。
真美がこれについて不平を言うシーン自体存在しないわけなんですが、それを言われても
仕方のない立場であることを自覚している、という感じで見れますからね。

キャラクター的にどうしてもシリアスな展開で活躍するのは難しくなってしまうわけで、
終盤の展開では存在感を発揮できていないようにも感じましたが、その破天荒な
キャラはやはり良くも悪くも目立つもの。合間合間で輝きは魅せてくれたと思います。


双海真美

真美については基本的に亜美と同じになりますが、その違いはやはり竜宮小町か否か。
竜宮小町入りした亜美に対し、できなかった真美、これについて真美が不平不満を言わない、
というのはいくらなんでも不自然
、という感があって、そこはどうしても気になってしまうもの。

まぁ亜美真美はマリアナ海溝よりも深い絆で結ばれているから、といえばそれまで
なんですが、ここにこのアニメ内で迫れなかったのはやはり描写不足、といわざるを得ません。

ただ、それを除けば基本的には上手く描かれていると感じられ、個人回である9話や15話を筆頭に、
亜美と二人でやりたい放題
、というあたりはしっかりと評価できるものです。

真美に関しては亜美よりも少しだけオトナ、という話もあったりするんですが、このアニメに
おいてはそういった描写は特に見られず…
。そこは少し残念と言えば残念ですが。

亜美真美、二人合わせてみれば出番も比較的多く、例えば竜宮小町主役の18話と、
それ以外のメンバーで描かれた19話で、亜美真美がそれぞれ出演している、という感じで
出番をフォローしあえている、という部分もあります。もちろん二人は別々のキャラクターですが、
その個性は当然極めて近しいもの。双子の特性を活かして出番が2倍という見方もできなくは
なく、そうやって見れば扱いは決して悪くなかった
、と言えるかと思います。


後編へ続きます。
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この記事へのコメント

kage

今回は美希のハニー呼びに絞ってコメントさせていただきます。

私にとって360版の美希の印象が強かったので、
アニマス美希に少し違和感を感じました。
少し親しくなった程度の相手を「ハニー」と呼んだり、
仕事仲間とはいえ人前でハニーハニーとべたつく態度など、
裏ルートの美希に比べると軽すぎじゃないかと感じました。

ただでさえ優遇された美希に、裏ルート並の展開をさせるのは
不可能だとはわかります。
なら無理にハニーと呼ばせる必要があったのか疑問に感じます。

360版での美希を長い間プロデュースした思い出が、
そう感じさせているだけだと思いますが。

Posted at 01:49:02 2014/01/22 by うらきP

この記事へのコメント

kage

Re: タイトルなし

うらきPさん

コメントありがとうございます。

美希については360、SP、2でそれぞれPへの態度が結構違いますよね。
今回のアニメは「2ndVISION」であるため、「2」と割と近かった
描き方に、私としてはそれほど違和感は覚えませんでした。
確かに人前でのべたつき、というのはちょっと気になりましたけども…。

とはいえ各展開でブレがあること自体、少し可哀想な扱いだとも思います。

Posted at 21:33:04 2014/01/22 by トリプルデイP

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kage


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