アニメ版 アイドルマスター 総括

kage

2014/01/23 (Thu)

さてアニメについての記事は一旦今回が最後。
ということでまずは簡単に全体の総括をしたいと思います。

アイマス6年目、満を持して、という形となったこのアニメ版は、新規のPの獲得、
既存のPの深化、そしてコンテンツ自体の大幅な拡張、全てに成功した
と言っていいでしょう。

個人的にはこのアニメ化というのはもちろん非常に嬉しく思っていて、クオリティ自体も
期待に応えてくれるものになったと感じ、アイマスにさらにハマることにもつながりました。

ただ、ここまで何度も書いてきたとおり、このアニメを全肯定、なんてことはしておらず、
描き方として明らかに違和感がある、というものも少なくありませんでした。

そしてこのことは「新規のPの獲得」「コンテンツ自体の大幅な拡張」にもつながってきます。
このアニメのヒットにより、ゲームよりもこのアニメのほうがアイマスの「メイン路線」として
扱われるようになりつつある
わけですが、私にとって「違和感」があるものが
「メイン路線」になるということにもなるわけで、ここがなんとも苦しい部分。

春香千早はアニメ以前以上に「特別扱い」され、はとんでもなく不憫に。
律子はプロデューサーであることがより強調され、やよいは貧弱メンタルに…という感じで、
このあたりが果たして「ONE FOR ALL」などにどう影響してくるのかが気になるところです。

とは言うものの、伊織あずさ亜美といった「2」で竜宮小町として言わば「追放」された
メンバーを他のメンバーと同様の位置に引き戻した
、という効果は強くあったように感じましたし、
ゲームでは描けないアイドル達同士の関係性をより深化させた、というのも良いところでした。

さらには「READY!!」や「自分REST@RT」を筆頭に名曲を多数生み出し、「アイマス楽曲」自体の
幅を広げ、深堀した、というあたりも高く評価できる点となっています。

改めてですが、トータルで見た場合、このアニメにまずまず満足しています。
文句のつけようはありますが、そこに目を瞑ろうと思えるだけの魅力もまたあるのは確かですから。


さて、最後に個人的な「ベスト回」「ワースト回」のランキングを載せておこうと思います。
私の思うこのアニメの「良い点」「悪い点」の象徴にもなりますからね。

というわけで先に「ワースト回」を5位から、そして「ベスト回」も5位から紹介します。


ワースト5位 第8話 しあわせへの回り道

この回はあずさ回ですが、かなり特殊な演出となっていて、完全にコメディ回となっています。
その演出自体は全体を通して見た場合、メリハリという意味もあって別に良いのですけれども、
問題は個人回としてのあずさの描き方がこれでいいのか、というところになってきます。

あずさというキャラクター自体が割と特殊な立ち位置となっていることもあると思うのですが、
それにしても「プロデュース対象アイドル」とはとても思えないような描き方になっていて、
そこにあずさなりの悩みなり問題なりが何ら見出すことができなかったのがネックとなっています。

「女神」と称されるあずさの持ち前の特性だけが描かれてしまい、そこからの成長や、変化は
何も描かれることなく、Pとの関係性もなにも進展はなかった。ここはどうしても苦しいところです。


ワースト4位 第21話 まるで花が咲くように

この回はAパートとBパートの差が極めて顕著になっていて、Aパートだけなら実質ワースト1位、
Bパートだけなら実質ベスト1位
、とすら言えるくらいクオリティに差が出ているように感じます。

Aパートというのは本当に何が何だか分からない…というくらいシナリオが酷く、作画も酷い
一方でBパートは「眠り姫」、961プロからのジュピターの離反、高木と黒井の関係性、
小鳥の歌唱シーン、そして春香達の「アイドル」への想い、といったものがいずれも上手く描かれて
いるように感じて、非常に綺麗にまとまっている、という評価をつけることができます。

この両方を合わせてこの21話となっているわけで、そうやってみるとやはり「良いところ」よりも
「悪いところ」が目立ってしまう
。そうなるとどうしても高く評価できず、ワーストに入ります。


ワースト3位 第24話 夢

このアニメ最後の山場となるこの回ですが、完全に主人公と化した春香、その春香の想いに
全く気付いていなかった他のメンバー、といったあたりに非常に違和感を覚えました。

ストーリー終盤のシリアス展開、「アイドル」について思い悩むのはメインヒロインの春香
というテーマは良いと思うのですけれども、その描き方がどうしても評価できません

最終的にはプロデューサーや他のメンバーの助けも要らず、一人で立ち直ってしまう
春香、というのも…このアニメで散々推してきた「団結」とはなんだのか、とすら感じます。

Pや他のメンバーがしっかり手を差し伸べることで、春香が再起、というラストにさえなっていれば
他の点には多少は目を瞑れ、評価は大きく変わっていたはずで、惜しさも感じてしまいます。


ワースト2位 第23話 私

24話と連続になりますが、要するにこの一連の流れがあまり良く感じなかった、ということです。

一人だけ必要以上に「団結」に拘る春香と、その春香に全く寄り添えない他メンバー、という感じに
なってしまっていて、完全にシナリオの都合でそうされた、としか思えない描き方が最大の問題。

春香視点で描くことでその重みを感じさせる、という表現方法自体はそれなりに評価できますが、
肝心要の「重み」自体が非常に胡散臭いものになってしまっていて、逆効果にすら思えるのです。
春香ありき、765プロありき、アイマスありきでのこのシナリオが作られたとはとても思えず、
このシナリオありきで春香や他のメンバーが描かれてしまったように思える、これが問題です。


ワースト1位 第16話 ひとりぼっちの気持ち

ワースト1位は回であるこの16話、やはりというかなんというか、これになります。

この16話以前まで散々な描かれ方しかされなかった、挽回のチャンスであったこの個人回は
後半の個人回トップバッター、ということで、期待をしていたわけなんですが…。

稚拙すぎる黒井の作戦、明らかにおかしい時間の流れ、ギャグにしか見えないワニ等の存在、
なんとも微妙過ぎる自身の悩み、身体を張って活躍するのはハム蔵…全てが酷い
ものです。

思い切って8話のように完全コメディにすればまた評価も変わっていたはずですが、
961プロとの対決、というものを中途半端に取り込んでしまったために、この有様となりました。

動物達ととの関係、というテーマが決して悪いものだとは思いませんが、そこの解決は
崖の下で一人雨に打たれている状態でなされた、というあたりもなんとも…。

最後の救いに「Brand New Day!」という新曲こそありましたが、それだけでこれらの
マイナス点を覆すには全く至らず、ワースト1位に選ばざるを得ませんでした。


ベスト5位 第15話 みんな揃って、生放送ですよ生放送!

アイマス最狂のネタ回はどうしてもベストにランクインさせねばならないと思いました。
このアニメ化に至るまでの6年間に各キャラが公式、非公式問わずに得てきたネタを
フルに発揮
、ということになっていて、既存Pにとって非常に嬉しいものでもありましたしね。

後半は961プロと対立、そして終盤はシリアス展開に、となっていくストーリーの中で、
こういった回はここでやるしかない、というタイミングで投入されたこの15話。

細かく見ていけば、全てのキャラがうまく描かれたわけでもないんですが、それを感じさせない
だけの圧倒的なネタの密度
になっていて、その勢いにただただ圧倒されます。

これまでのネタを使いつつも「無尽合体キサラギ」や「チャレンジ!」といった新ネタを
生み出した
、という点も評価でき、その存在感はベスト5入りに相応しいものだと思います。


ベスト4位 第17話 真、まことの王子様

個人回としては唯一のベストランクインとなったのはこの回です。
直前の16話、回があまりにもアレだったわけですが、その反動があるのかないのか、
極めて高い完成度で、この一話の中での魅力を存分に描ききってくれたと思います。

周囲からは王子様として扱われるしかし自身はお姫様に憧れて…という
パーソナリティー最大のポイントに真正面から挑みながら、Pとのデートという特別な
空間で、そのPとの関係性を構築しつつも、自身がその問題にきちんと向き合えた

これが一気に出来たのは何より大きいもの。Pのプロデュース能力も評価できますしね。

全員が全員これほどのクオリティの個人回ができていたのならば、このアニメ自体に対する
評価もまたさらに向上していたはずですが、それは流石に難しかったとは思います。
だからこそ、それほどまでにこの回は圧倒的な完成度になっているとも言えるわけですけどね。


ベスト3位 第22話 聖夜の夜に

この回自体は5話との対比となっていて、「売れないアイドル」と「売れっ子アイドル」の
コントラストをこの2話を使って表現している
、非常に面白い演出となっています。

その上でこのクリスマス回である22話をなぜ高く評価したのかといえば、それはまず、
前後の21話と23、24話がどうしても評価できないものになってしまって、相対的に
その中間にあるこの回が際立ってよく見える
、ということがまずあげられます。

20話以降のシリアス展開の中で、唯一ホッと一息つけるというか、その存在感の
ありがたみ、というものをこの22話は強く感じさせてくれる、これが大きくあるのです。

もちろんそれだけではなくて、一見華やかなクリスマス回が実はつなぎ役に過ぎない、
という見せ方であったり、春香千早のコントラストであったり
、というあたりも良い点。
5話あってのこの22話なのは確かなんですが、こちらのほうがより高く評価できます。


ベスト2位 第25話 みんなと、いっしょに!

21、23、24話をワーストに入れているように、終盤のストーリー展開は基本的に評価していません
が、この最終回に関しては、それらを帳消しにしていると感じるくらい、評価できるものです。

問題という問題は24話で全て解決していて、残っていた春香美希の関係性、そしてPの容態、
というものもこの回の早々でクリアして見せたことで、後半をスムーズに見れたのもいいところ

もちろん「READY!!&CHANGE!!!!」において律子がいない、というあたりは気になってしまう
わけなんですが、「私たちはずっと…でしょう?」ではちゃんと参加しているところで、その
マイナス点も最小限にとどめることにも成功しています。律子の参加自体は無理矢理ですが…。

この25話に至る全ての話を「私たちはずっと…でしょう?」でカタルシスとして昇華し、
そして最後の「いっしょ」は最高の大団円を演出、というあたりはもはや文句のつけようもなし


タイトル通り「みんなと、いっしょに!」を感じさせる、最高の最終回でした。


ベスト1位 第13話 そして、彼女たちはきらめくステージへ

「最高の最終回」をも抑えるベスト1位には、やはりこの回を選ぶほかありませんでした。

なんと言っても「自分REST@RT」という楽曲が圧倒的なクオリティで、11話、12話、そして
この13話前半での彼女たちの努力がここで全て昇華される、というストーリーも実に見事なもの。

「売れないアイドル」から「売れっ子アイドル」へと羽ばたくきっかけともなる、この前半最後の
13話に、これだけのクオリティのものを持ってこれたという事実は何より大きい
もの。

なぜ彼女達がライブ一発で人気アイドルになれたのか、というのを論理的にはともかく、
肌感覚で痛感できた、というのは並大抵のことではない
はずで、高く評価できます。

25話はアニメの「総決算」でありますが、この13話は「象徴」。そう言いきっていいでしょう。



というわけで長々となったアニメ版の総括は以上。とはいってもL4U、SF、ぷちます、
そして劇場版…と他にもまだまだ「アニメ」で書くことは盛りだくさんではありますけどね。
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この記事へのコメント

kage

検索からピンときたので

はじめまして、アニメから入った新参Pの福来郎と申します。
取り留めのない文章ですがどうしてもコメントしたかったのでこれを送信しました。
日付が最近とはいえない記事へのコメントですがこの記事にコメントするのが一番相応しい内容だと判断しましたのでこの記事で。
私自身の最初のライブがSSAで、SSAレビューを検索していたところに
「千早が優遇されている」という文章を見かけてピンと来て、このブログに参りました。
拝読したところ同意する部分が多数あり、合わせて他の記事も読ませていただきました。
千早が優遇されているという感想はアニマスしかアイマスを知らなかった時期には持ちませんでしたが、
SPをプレイし、2をプレイし、劇場版を見た頃に「特定のアイドルの優遇」に対する不満はピークを迎えていました。
アニマススタッフは劇場版でアニマスを終わらせるムードでいて、
出番に恵まれなかったアイドルの方が多いのに「765を描写しきってしまった」ような理由で「ミリオンを使った」という言葉に納得できないままです。
また、アニマスレビューで何度か目にした"キャラクターのパーソナリティー"という考察点は実際にプロデュース開始してから抱いた違和感を、
今まで私が言葉にしたことがなかったようなことを代筆してくださったようだと思うほど共感を覚えました。
よく不貞腐れるゲームにおける春香との乖離、あずささんは性格面の描写不足などなど…
好きな作品は好きなままでいたいですが好きなところだけが見えるほど人間とはそう便利な生き方ができないのが苦しいものです。
アニマスは私のようにアイマスを知らなかったアニオタでも頭の中がアイマス一色になるほど
ハイクオリティだとしても苦言されるだけ好きな気持ちが分かります。
私も不安にさせられながらもアイマスを追っかけ、1度でも多く心から絶賛できる展開を待ち望む一人であり続けたいと思っています。

Posted at 20:25:12 2014/07/05 by 福来郎

この記事へのコメント

kage

Re: 検索からピンときたので

福来郎さん

コメントありがとうございます。

アイマスというコンテンツは極めて多角的に展開されているが故、
アイドルのパーソナリティーであり、扱いでありというのがブレやすく、
そこが毎度毎度気になってしまう、というのがあるんですよね。

特にアニメとゲームの差というのは顕著なものであり、
中々全てを受け入れるのは難しい、ということにもなってしまっています。

私としてはあくまでも13人が平等というのが大前提にあってほしいんですが、
それが必ずしもそうなっていないし、アニメでは特に差が大きいんですよね…。

まぁそれも含めて、苦言を呈しつつもアイドルマスターという
コンテンツを愛していきたいと思っています。

Posted at 22:20:49 2014/07/05 by トリプルデイP

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