劇場版アイドルマスター レビュー その5 ※ネタバレあり

kage

2014/01/30 (Thu)

いよいよ物語は後半に。全編ネタバレになる「その5」です。


16.それぞれの想い

m80.jpg

m81.jpg

m82.jpg

さてレッスンに全くいかなくなった可奈ですが、自室で春香からのメールを読みつつも、
ベッドで打ち倒れたままです。この部屋には765プロや春香のポスターだけでなく、876プロの
ポスターも貼ってあるのがポイント。当たり前ですが決してジュピターのポスターはないんですね。
まぁここでジュピターのポスターなんて貼ってあった日には大変なことになりますが…。

一方で他のメンバーは、レッスンが夜まで長引いたこともあってか萩原家と水瀬家に分かれて
お泊り、となります。水瀬家は26話で描かれましたが、萩原家は11話のワンカット以来の登場です。

さて、ここでのメンバー分割、萩原家には雪歩やよい真美貴音、百合子、杏奈、星梨花の
8人。そして水瀬家には伊織美希亜美あずさ、志保、美奈子、奈緒の8人が泊まります。

基本的には家の近さに応じて、なんでしょうが、亜美真美が分かれているのは…この日最後の
仕事による影響、でしょうかね。また萩原家には貴音がいながら、水瀬家にはやよい
いない
、というあたりも気になるところ。水瀬家は竜宮小町主体となっています。

そしてもっと大事なのは、バックダンサーの「出来る組」「出来ない組」が分かれていること
これによって各家での会話の進み方も大きく変わってくることとなります。

萩原家では百合子が「私達このまま一緒に続けていいのかなって」と現状に対する不安を
打ち明けます。自分達が765プロの足を引っ張ってしまっている、と思っているんですね。
これも非常にメタ的なセリフでしょう。ミリオンライブの存在は、間違いなくアイマスに波乱を
起こしている
わけで、極端な言い方をすれば「足を引っ張っている」でもおかしくないのですから。

これに対する雪歩たちの返事、つまり公式からのメッセージはダイレクトに「いい」
いうもの。合宿初日同様、雪歩がまた自分、あるいは浅倉さんの体験を語り、「みんなで
やるから頑張れる」と話します。メタ的にはこのセリフはなんとも解釈しづらいところ
ですが、ストーリー的にはそのままの意味であって、雪歩らしい、765プロらしい回答。メタ的には
雪歩達にこう答えさせることで、未だ批判するPを納得させよう、としか感じませんが…。
ただ、ここでの答えが真のメッセージでもないでしょう。終盤にもっと重いものがきますしね。

また、できればここでもっとやよいのセリフが欲しかったところ。11話で雪歩同様に
苦戦したやよいにも、同じように語ってほしかったです。雪歩は「私じゃ頼りないかもだけど」と
話しますが、なんだかんだで年長者。そうではなくて、年少のやよいにも同じようなことで
あっても話させたほうが、もっと説得力は強まった
と思うのです。それこそ、ここには
可奈はいませんが、やよいと可奈は同い年。可奈については全て春香に一任、という
ストーリー展開ですが、LTP08もあったわけで、やよいとの絡みもあってよかったはず。
それが少しでもあれば、今作のやよいの扱いも随分違って見えたはずですが…。

さて、一方の水瀬家。奈緒は「私は全力でやりたい」と「出来ない組」とは全く違う話を
展開
します。その想いは当然伊織達にも理解できますが、難しいところで…。

ここで美希が志保に対し、「なんで不安そうな顔してるの?」と疑問を投げかけます。
現状は誰だって不安で、志保もそれに漏れないに過ぎませんが、美希は「春香はちゃんと
答えを持ってくる」と余裕、そして春香への信頼をみせます
。二人の考え方は
違えど、お互いがお互いの考え方をリスペクトし合えている。この関係性こそがはるみきで、
「甘々」と言いながらも、「だから春香ミキのライバルなんだと思う」と話すわけです。

美希には、自分と同じベクトルの人間なら、絶対に負けないという自信があるはずです。
しかしながら、ベクトル自体が違えば、勝負にもならない。要するに「勝てない」のです。
だからこそ、「春香美希のライバル」になりうる。「勝てない」けども「負けもしない」。
勝敗はつかずとも、お互いがお互いを高めあえる、そんな関係だから「ライバル」なんですね。

また、ちょっと気になるのは伊織春香を「あの子」呼ばわりするところ。普通はこの年代で
二つも年上に対して「あの子」なんて呼びはしませんが、それを言ってのける、流石は伊織です。


17.春香と可奈

m83.jpg

m84.jpg

m85.jpg


仕事の関係か、最も家が遠いはずの春香は自宅へと帰っています。そして可奈へとメールを送り
ますが、「自惚れてもいいよね」とは可奈が自分に憧れてくれているなら、というものでしょう。

そして可奈から非通知で、春香へ電話が掛けられます。そしてここで、可奈は本当にアイドルを
辞める、と話し、もうスッキリしているとしながら、謝罪をします。しかしながら震えた声で
話す可奈が本心を言っているとはどうしても思えず、春香はなんとか説得を試みます。可奈は
自分が春香と違って「キラキラしていない」と話しますが、春香からすればそんなことはない、
というわけです。ここではっきりと「トップアイドル」として春香が語られることとなっているのも
重要ですが、それ以上に、ここもまたメタ的に受け取ることができる問答となっています。

春香は「自分と可奈は何も違わない」と話しますが、これは「アイマスとグリマスは何も違わない」
というメッセージにとれるのです。最初はアーケードから細々と始まったアイマスが、今では
これだけのコンテンツになれた。現在はモバと比較しても勢力が弱く、決して勢いがあるとは
いえないグリマスも、この先大きなコンテンツへと成長していけるはずだ、というメッセージを
春香を通して伝えているのです。もっと言えば、「そのために力を貸してほしい」という
公式からの観客であるPへのメッセージとして機能しているように思えるのです、春香を通して
これを伝えるということ、これは極めて効果的で、後のシーンでも使われることとなります。

メタ的にはともかく、可奈には春香の想いが電話では伝わりきらず、最終的には電話を
切られてしまいます。これを受けて春香が思うのは「今」の大切さ。「今」をどうしたいか、です。


18.雨中での答え

m86.jpg

m87.jpg

そして下した結論は、可奈を探し出し、ちゃんと話をする、というもの。ここではその結論を
みんなに話す前に、探しに出る場面が描かれますが、ちょっと特殊な演出になっていて、
また劇中劇が始まったのか、とすら一瞬思ってしまいました
。それは流石になかったのですが。

そして春香が結論について話す場面。当然のごとく志保に問い詰められます。「みんなの
練習よりも一人の『かもしれない』が大事なのか」と。それに対する春香の答えは「YES」。
これは正直どうなのか、としか思えない場面で、普通に考えれば志保の言うことが正論です。
しかし春香の結論は違う。主人公である春香の考えが最終的には正しい、ということは
メタ的には理解できても、この春香の決断自体は正直理解できるものではありません。

ただ、「みんなで」にこだわったアニメ終盤の春香なら、という意味では決して間違いではなくて、
春香がどうしたいか」はやはりこうなんだな、というのはわかります。そしてその春香あっての
765プロだからこそ、他のメンバーもついていく。これはこれで筋は通っているわけですね。
もっとも、「部外者」である志保からすれば理解できなくて当然で、どちらも間違ってはいません。

さて春香の結論を伊織達は受け入れたことで、志保も含めた18人で可奈の捜索に向かいます。
一応チーム分けしていますが、皆可奈の住んでいる横浜付近で探している感じですね。

千早と星梨花は矢吹家を訪れますが、チャイムを押しても反応なし。平日か休日かわかりせんが、
昼日中ならいなくても全くおかしくなく、夜中に訪れるべきで、それ以前に親と話すべき、
としか思えないんですが…こう思えてしまうから、未成年の失踪ネタはダメだと思うんですけどね。

それはともかくとして、春香は以前の可奈との会話を思い出し、土手へと向かいます。
するとやっぱり可奈はそこにいて、となるんですが、傘を放り出して走って逃げだしてしまいます。
それを同じく春香も傘を放り出して追いかけますが、ここでのBGMが、23話でPが奈落へと
転落する際の音楽
。正直可奈が橋から転落でもするのでは、と思えてしまいました。
まぁそれくらい緊張感のあるシーンで、狙って選んだBGMではあると思うんですが…。

そして可奈をなんとか捉えますが、その姿はなんとも無様なものに…という衝撃のシーン。
ただ、ここは本当にうまくて、一歩間違えれば18話のあずさのようなギャグシーンになってしまう
ところを、そうはさせず、シリアスさをもって醜く描く
、ということを成功させています。
可奈がレッスンに参加しなくなって数週間程度、とみるべきなんでしょうが、その期間でこれだけ
変わってしまうものなのか、と思えますが、思春期の少女ならば、ということで納得はできます。

そんな可奈はレッスンについていけず、ミニライブで失敗、ストレスでやけ食い、という悪循環で
どうにもならなくなった、と吐露。しかし、本心ではやはり「ライブに出たい」というのがあり、
それを聴きだすことができた春香も一安心。現在どういう姿であろうとも、「今何がしたいか」を
一番に考えればいい、
と話します。ここもまた考えさせられる場面で、果たして本当にそれで
いいのか、とどうしても考えてしまいます。「今を全力で」のメッセージは理解できますが…
あまりにもメタメッセージ性が強すぎて、もう少しマイルドにして欲しかったところですね。

そして可奈とともに、一同はアリーナへ。気持ちを確認するために、ですね。


そしてクライマックスへ。
関連記事

この記事へのコメント

kage

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Posted at 00:18:33 2014/01/31 by

この記事へのコメント

kage

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

もう私はアイマスについて全く客観的にみれないのですが、それだけに
新規で入ってきてくれる方がいる、ということは非常に嬉しく思います。

アイマスが永く続くことを心の底から私も願っています。

Posted at 00:33:25 2014/01/31 by トリプルデイP

この記事へのコメント

kage

>萩原家はアニメ初登場

11話で一瞬ワンカットだけですが雪歩の自室が描写されてたような?
笑って!をBGMにアイドルの様子をさらっと流す部分でそんなのが
あった記憶が。

Posted at 18:08:26 2014/01/31 by T2

この記事へのコメント

kage

Re: タイトルなし

T2さん

コメント、ご指摘ありがとうございます。
仰る通りで、確かに雪歩の部屋は1カットきちんとありましたね。
記事の内容、その部分は修正させていただきます。ありがとうございます。

Posted at 21:52:59 2014/01/31 by トリプルデイP

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック