劇場版アイドルマスター キャラクター別 評価 中編

kage

2014/02/04 (Tue)

キャラ別評価、続いては765プロのアイドル後半5人とスタッフ二名についてです。
一応ネタバレなのでご注意を。


水瀬伊織

春香がリーダーとして重要な役割を担うことは事前に分かっていましたが、蓋を開けてみれば
この伊織がその春香以上とさえ言えるかのような圧倒的な存在感を放ち、活躍を見せました

そもそも伊織は竜宮小町のリーダーで、急造リーダーである春香と異なる、「正式な」リーダー。
だからこそ、春香に対しては色々と思うところがあるはずで、志保との衝突のシーンでは
それをはっきりと出して、春香に対し「リーダーとして」というあたりを強く説いたのです。

とはいうものの、「765プロのリーダー」としての春香は一貫して認めていて、リーダー選出の
シーンでも、一人だけ表情は違えど、「春香なら…」と思っているような表情でした。

アニメ本編26話を通して、765プロを引っ張っていたのは春香で、それは13話から顕著になった
わけですが、14話時点で伊織は既にそれを認めています。負けず嫌いで、天性のリーダー気質で、
実際にリーダーを務めている伊織が認める春香「この私があんたを認めたんだから、絶対に
しっかりリーダーを務めなさい」という気持ちでこの春香をときに身守り、ときに叱咤し、
ときに立てる
。こうなると伊織こそが765プロの真の大黒柱に思えてくるくらいです。

春香に対してだけでなく、一人で居る志保に声をかけるなど、誰に対しても気を払い、全体を
見通したうえで動ける伊織。「私が」が誰よりも強いようでいて、それも間違いないけれども、
それ以上に「みんなが」を春香と同等に考えられている伊織本当に素晴らしい人格者でしょう。

アリーナ内最後の場面で「なんとかしてみせる」と言い切るのはその伊織の「強さ」の
象徴でもあって、それと同時に春香のように「アイマス」をも背負っての発言でもあるわけです。

「2nd」で竜宮小町となることで一歩立場を悪くしてしまった伊織ですが、アニメ本編で見事に
元の立ち位置に返り咲き、そしてこの映画ではさらに一歩踏み出したかのようにすら感じます。

春香を演じる中村さんの「尊敬する人」が伊織を演じる釘宮さんである、ということ、
そして春香自身が「Here we go!!」の伊織とのデュオで「にひひっ」を真似てみせたように、
ある種の「憧れ」を持っていること、これらまで鑑みれば伊織はこの映画での立ち位置こそ
本来相応しい立ち位置なのかも
しれません。なんにしても、最高の役割を担ったと思います。

ベストシーン:アリーナでの「なんとかしてみせる。それが私達でしょ」


三浦あずさ

そもそもキャラクター的にみんなを一歩引いて見守る、という立ち位置であり、この映画でも
その役割は基本的に変わりませんでした。最年長という立場を考えれば、リーダーという立場に
悩む春香に対し、一歩踏み込んで声をかけても良かったはず
ですが、それもありませんでした。

しかしながら、ミニライブ後の楽屋で言い争い寸前となったバックダンサー達をわかってか
わからずがではありますが解散させたり、レッスン場での春香と志保の衝突後も綺麗に
解散させたりと、要所要所ではその立場ならではの存在感を発揮したように思います。

とはいうものの全体を通して見ればやはり出番は少なかったわけで、それは残念だったのですが、
ただ、ライブ直前の楽屋での律子へのコサージュ付け、というのは非常に印象的でした。

あの役割はライブのリーダーである春香であったり、あるいは竜宮小町のリーダーである伊織
あったりでもなんらおかしくないわけですが、あえてあずさがその役割を担ったわけです。

年下ながら「プロデューサー」である律子と、年上ながら「アイドル」であるあずさ。お互いに
「さん」付けで、敬語を使うというのは竜宮小町という設定のなかった「1st」からでは
あるんですが、その特別な関係性というものは、竜宮小町によってより深まったように思います。

その象徴でもあるのが今回のこのシーンであって、それはやはり非常に重いもの。
律子がライブに出演しないことに対する最大のフォローシーンでもあるんですが、さらにはそこに
あずさらしさであり、あずりつらしさであり、というのが込められていて、今回の映画に
おけるあずさの出番の少なさを十分に補ってくれる
ほどに感じられるものでした。

ベストシーン:ライブ直前の楽屋における律子へのコサージュ付け


四条貴音

あずさ同様、一歩引いての立場になりがちな貴音ですが、実際に今回の劇中でもそのまま
その立場で、活躍らしい活躍はありませんでした。目立つシーンと言えば合宿初日の
夕食に唐突に登場したシーンや、ライブで春香とツーショットになったシーンくらい。

それ以外では、バックダンサー達に対して春香達と共に考え、そして春香に助言を
するシーンくらいなのですが、こうしたシーンがもっとあれば…という風に感じます。

貴音は喋らなくても、何もしなくても、佇んでいるだけで絵になる、というある意味お得な
キャラクターでもあるんですが、それだけではやはり活躍しているとは言えません。
言葉数が少ない分、その一言一言には重みがあるわけで、派手に動くことがなくとも
そうしたセリフがもっとあれば、また扱いについても随分違って見えたはずです。

今回はその「一言」さえも前述の春香への助言くらいしか印象的なものはなかった、
ということで非常に厳しい扱い。キャラ的にはシリアス展開にも十分ついて行けそうですが、
実はその浮世離れ感が地に足のついたシリアス展開には不向きで…という感じ。
サプライズ性の強い春香とのツーショットのようなものが他にあっても良かったんですけどね。

ベストシーン:「M@STERPIECE」における春香とのツーショット


我那覇響

アニメ本編では非常に厳しい扱いで、目も当てられないレベルでしたが、この映画でも
その厳しさは変わらず
、ということで非常に残念です。冒頭の「眠り姫」において一人称が
「私」であった、というのはかなり新鮮で、そういった始まり方だったからこそ、劇中本編でも
何か目新しい描かれ方がされるのでは、と期待しただけに、その落差も大きいものです。

ただ、一応持ち歌でありながらまともな音源すらなかった「shiny smile」が今回のために
新録されてまでも登場
、ということについては非常に嬉しく、評価できるものです。

そうはいうものの、それくらいしか目立つシーンがなかった、というのが事実であって、
そう考えるとこの楽曲新録で喜ばしく思っていること自体が虚しいというかなんというか…。

水鉄砲で遊ぶシーンであったり、Pがハリウッド行きを報告した夜のシーンであったり、
中学生チーム側に立つシーンがあまりにも多すぎる、ということがシリアス展開について
いけないことをあらわしてしまっているようでもあって、そこも難しいところです。

中学生であっても伊織は圧倒的な存在感を放っていたわけで、も子供らしさを残しつつも、
ちゃんと年相応の立ち位置で、もう少しシリアス展開に絡んでいけたはず
。それが
できなかった今作の映画も、アニメ本編ほどの酷い扱いではありませんが、残念でした。

ベストシーン:合宿初日夜のテレビ番組内での「shiny smile」


秋月律子

25話でのライブ出演もあり、さらには8th横浜でちゃんと律子に対するコールの収録があった
ために、まさかのライブ未出演という衝撃の展開が待ち受けているとは思いもしませんでした

しかしながらそのことに対するフォローというのはきちんとされていて、Pがハリウッド研修に
行くために、自分がより「プロデューサーに徹すると決めた」と度々宣言するあたりや、
合宿での「GO MY WAY!!」の13人バージョンでの堂々のセンター、そしてライブ直前の
楽屋でのあずさからコサージュをつけられるシーンなど、きめ細かく描かれているわけです。

私としては律子も他の12人と横並び、という気持ちがどうしても強くて、だからこそアニメ本編での
扱いについても非常に悩ましく思いました。今回の映画は当然アニメの延長であるが故、引き続き
一人立ち位置の違う扱いになることはわかっていて、それがどの程度か、に注目していました。

その結果がこれ、なわけですが、前述のとおりのフォローというのが実に見事になっていて、
律子自身の想いというものを考えれば、これはこれでアリかな、と思えるような扱いでした。

もっとも、「プロデューサーに徹する」と言っておきながら可奈が練習に来なくなったあたりの
問題を全て春香達にお任せ、というのはさすがにどうなのか
、とは思えてしまいます。ダンスの
レベル云々はともかく、ここは介入すべき事態のはず。まぁストーリーの都合でしょうが…。

いずれにしても、特殊な立ち位置であるがゆえに、出番自体は多く、ライブのことに目をつぶれば
扱いそのものは比較的良いものだったと言っていいでしょう。オープニングでもエンディングでも
ちゃんと他の12人とならぶカットが描かれていた
ことにも満足というか、安心できました。

ベストシーン:合宿最終レッスン日の「GO MY WAY!!」


音無小鳥

小鳥こそ根本的に他のメンバーとは立ち位置が違うために、今回の出番の少なさや、扱いについても
私は全く問題ないと思っています。アイドル達を差し置いて必要以上にスポットがあたっては
それこそ問題
であり、今回くらいの扱いに収まるのがベストな形で、一切文句なし、というところ。

そうした少ない出番であっても、妄想が暴走して逃走、であったり、ミニライブ後の週刊誌を
巡ってのPとの会話シーンなど、印象的な場面もしっかりあって、存在感は発揮したわけですから。

特に週刊誌のシーンでのPとの会話というのはアイドル達とでは決して成り立たない空気感
あって、そこに小鳥らしさというか、オンリーワンの意義というものも感じられ、好印象でした。

ベストシーン:ミニライブ後の事務所内でのPに対する「私も寂しいんですよ」


プロデューサー

アニメ本編では基本的に一人称として描かれる存在でしたが、終盤には春香にその立ち位置を
譲り、一歩引いた立場でアイドル達を見守る存在として、視聴者であるPからは少し遠い存在
なってしまったこのP。今回の映画でもそれはさらに加速して、前置きなどほとんどないまま唐突に
ハリウッド研修に行くなどと言い出したがために、感情移入が出来る存在ではありませんでした

しかしながら、だからこそその言葉には重みというものが出てくるわけであって、その象徴が
ハリウッド行きを皆に報告した後の、春香との会話でしょう。ここで語られる「10年後」は
アイマスのこれまでの「10年」、あるいはこれからの「10年」だと読み変えられるわけですが、
プロデューサーという「私達」と春香という「アイマスの象徴」がこれについて語る、というのには
非常に重みがあって、アイマスというコンテンツならではの描き方で、非常に印象的です。

とはいうものの、Pのプロデューサーとしての仕事ぶりは物足りなさもあって、合宿直後、はじめは
バックダンサー組と別練習にしたり、可奈の問題は春香達に任せっきりにしたり、律子と二人での
責任ではありますが、「ちゃんと働けよ」とツッコまざるをえない部分もあるにはありました。

まぁそれは結局ストーリーの都合でしかないとは思うんですが、あるいはそういった面も含めて
レベルアップが必要で、だからこそハリウッド研修に行く、と考えることもできるわけですね。
そんなものハリウッドに行かなくとも普通に考えればできるだろ、というのもやはりありますが…。

なんにしてもアニメ本編同様に嫌味など一切なく、アイドル達を引っ張りこそせず見守る存在
して描かれた、ということについてはまずまず納得、というあたりで落ち着く感じです。

ベストシーン:ハリウッド行き報告後、春香と二人で「10年後」を語りあう場面



さて次回が後編。バックダンサーチームについて一人一人見ていきます。
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