劇場版アイドルマスター キャラクター別 評価 後編

kage

2014/02/05 (Wed)

キャラ別評価は今回がラスト。バックダンサーの7人について。バックダンサー達については
事前知識はLTPのみ、ということをあらかじめご了承ください。また当然ネタバレです。


矢吹可奈

バックダンサーの中では最も重要であり、全体で見ても春香に次ぐ重要な役割を担ったのが
この可奈です。そもそもなぜこの可奈というキャラクターがこの役割に抜擢されたのか、という
あたりを考えると、後輩キャラとして非常に活きやすく、さらに普段は極めて明るく、
落ち込むときはとことん落ち込める
、というキャラだから、と考えるべきでしょう。
可奈に限らず、声優の事務所が云々という話もあるようですが、それはここでは論じません。

この役割について考えると、765プロで言えばやよいが最も近い立ち位置で、11話での
やよいを誰もフォローしなかったら…という「if」の話
としてもみることもできそうです。
まぁ本当にやよいが可奈のように逃げ出したら、それはそれで描き方が…なんですけれども。

さて可奈はアリーナライブという極めて重大な仕事から逃げ出してしまうわけですが、
これについてはそれこそ「765プロの足を引っ張る」ことであるのは間違いなく、このプロ意識の
欠如が観覧した(主にアンチグリマスの)Pから批判されることだって当然ある
でしょう。

しかしながら私としてはその批判はお門違いで、現状半分アマに過ぎない女子中学生が
高いプロ意識をもって仕事に取り組む、というほうがむしろ特別
だと思えます。

その「特別」の最たる存在が志保であるのでしょうが、志保は後述するとして、可奈については
こうした「アマ」の状態から春香に導かれ、本当の意味でのアイドルを目指していく、という
「成長」が描かれているわけで、これはこれで一つの「アイドルマスター」の物語だとも思えます。

また、現状では765プロに波乱を起こしてしまう可奈の存在は、現状ではアイマスに波乱を
起こしているミリオンの存在とも置き換えられ
、そういった意味でもこの可奈というキャラの
存在は非常に重要であって、それを一身に背負っての今回の映画出演だった、とも言えるのです。

今回の映画出演が今後のミリオンの展開における可奈のキャラクターにどのような影響を
与えるのかはわかりませんが、一人で重荷を背負うことなく、のびのび活きてほしいとは思います。

ベストシーン:春香との電話における問答


佐竹美奈子

バックダンサー最年長で、765プロの多くのメンバーよりも年上、という立場だったのが美奈子。
個人的には非常に注目していたのですが、そうした最年長という特性はほとんど活かされず、
活躍らしい活躍はみられませんでした
。細かく見ればへのメール、花火時の片づけなど、
重箱の隅をつつけば出るようなものはありますが、それにしても…という感じで、同じ年長者で、
よりアクティブさのある奈緒にその役割の多くを取られてしまった
、というような感もあります。

ただ、この「あまり目立たない」という個性自体、そしてアリーナ後の「美味しいものをご馳走する
よ」など一歩間違えれば笑えないような、それでいてしっかり場を和ませるような感性は、
誰あろう春香にこそ最も似ている、とも言える雰囲気も感じました。今回は脇役にまわったことで
目立たなくなってしまいましたが、もしセンターに立ったなら…春香のように輝くのでは、とも。

もちろんミリオンのセンターは春日未来であることはわかっていますが、今回の映画における
美奈子の描き方は、そうした可能性を感じさせてくれるには十分な描き方だったと思えます。

そんな美奈子が今回の映画で最もインパクトを残したシーンは、春香に意見する奈緒の
服の裾を座ったまま引っ張り、座らせようとする場面
。自分だってダンスを変えたくなくて、
挙手までしていながら、やはり先輩の意見のほうが正しいと思ってしまって…という葛藤の末の
アクション、というあたりもまたこの場面で「優柔不断」とされた春香に似ているようでいて、
さらには場を収めようとする年長者らしさもあって…というところで印象的なシーンでした。

まぁ本当に個人的には注目していきたいメンバーなので、今後の活躍には期待しています。

ベストシーン:春香に意見する奈緒の服の裾を座ったまま引っ張り、座らせようとする場面


横山奈緒

美奈子に次ぐ年長者で、その美奈子よりもアクティブな性格もあって、実質的なバックダンサーの
リーダー的存在
として引っ張っていっているような印象を受けました。ダンスについても苦戦して
いるとはいうものの、「出来る組」であって、アイドルとしての向上心も高いものでした。

しかしながら、周囲を見渡すまでには至らず…というあたりがまだまだ、という感じもあり、
アイドルとしてはまだまだ未完成な存在、という風にもきちんと描かれていたように思います。

ただ、そのアクティブ性というのは当然強い個性であって、合宿初日の夜に春香に練習に
ついて尋ねられたときも率先して率直な意見を言ったり、ダンス変更の話の際にも積極的に
「自分がどうしたいか」を述べたり、可奈を追いかける場面でも雨に打たれながら春香
二人で挟み撃ちにしたり…と、言葉も動きもいずれも非常に動的で、印象としては強いです。

周りが見えていない、というあたりもアリーナでの春香の熱弁、可奈の気持ちの吐露を通して
学ぶこともあったようで、劇中で一歩成長、というあたりまで描かれたのもいい扱いでしたね。

ベストシーン:ダンス変更の問答で春香に対し積極的に自分の意見を述べるシーン


七尾百合子

いわゆる「出来ない組」において、可奈はストーリー中盤に不在、杏奈は非常に大人しく、星梨花も
意外と言葉少な、ということもあり、その中ではリーダーというか、最も目立つ立ち位置でした。

とはいうものの、じゃあ活躍したシーンがあるかというとそれもなく…合宿中に足をくじいて
しまったり、765プロに呼び出された際に志保を睨みつけたり、というくらいしか印象に残らず
…。

本が好き、という設定も、合宿中に部屋で読んでいる、というくらいでしか活かされることなく、
可奈を除いた「出来ない組」の代表、的な扱いに留まってしまっているように感じました。

しかしながら、それはそれで「後輩らしさ」が極めて強いもので、役割としては決して不要なもの
ではなかったとは言えるはずです。問題はそれが百合子であった必然性、なわけですが…。

ただ、「出来ない組」の中で唯一、ダンス変更の話の際には遅れながらも手を上げたり、といった
あたりでプロ意識というか、負けず嫌い感も出ていて、そういった描写は悪くなかったのかな、と。
まぁ本が云々なんてやり始めたら埒も明かないので、今回は「後輩」留まりもやむなし、ですかね。

ベストシーン:765プロに呼び出された際、言葉のキツイ志保を睨みつけるシーン


北沢志保

可奈とは別の立場で、今回の映画において非常に重要な役割を担ったのがこの志保です。
「団結」を掲げる765プロに真正面から疑問を呈し、そして優柔不断な春香に対して容赦なく
厳しい言葉を叩きつける。悪役でもありませんが、非常に難しい立場を担うこととなったのです。

団結しきった765プロの中に後輩を投じる、というにあたってはどうしてもこの立場のキャラが
必要で、それがクールでプロ意識の高い志保になった、というのは十分に納得のいくところ。
ただ、今回の映画で志保に対して(主にアンチグリマスPによる)批判が起こる可能性も
十分あったわけで、その役割を担う、というのはその意味でも非常に厳しい
ものでしょう。

最終的にも志保は765プロの「団結」、春香の「みんなで」を完全に受け入れることはできません
でした。あとはそれをどう評価するか、というあたりですが、春香が「それでもいい」ということ
こそがその評価であって、志保個人の考え、立ち位置を批判するべきでないのは明白です。
というか、そもそも現実的には春香のほうが無茶苦茶を言っているとさえいえるわけですからね。

今回の映画の志保の成長は、アニメ1話から4話への千早の成長と酷似しているようにも思えます。
一番最初の段階からは一歩進んだけれども、実はまだまだ距離が遠くて…という感じで。
千早はその後更なる成長をみせますが、だったら志保は…というあたりは気になるところ。

もっとも、みんながみんな「団結」こそ正義とするのも甚だ疑問で、志保のこの映画最終時点の
立ち位置であり考え方であり、というのもそれはそれで完成系でいいのかな、とも思えますけどね。

ベストシーン:春香との衝突。「なんであなたがリーダーなんですか?」


望月杏奈

ステージ上とそれ以外ではキャラが異なる、という特性は全く生かされることなく、終始大人しい
ままで終わってしまった感がある
のがこの杏奈です。もちろん「M@STERPIECE」では笑顔全開で
踊っていたわけですが、それは他のメンバーも同様で、差別化には至らず…。

そんな杏奈が唯一目立ったのは、春香に可奈からのメールを見せるシーンでしょう。あんなメールが
来ていたのなら、すぐに春香に見せるべき、とは当然思いますが、それがなかなかできなかった、
というのはそれはそれでリアリティがあって、中々良い描き方ではあったと思います。

ただ、本当にそれだけ、としか言えない扱いであって、もう少し何とかしてあげても…という感じ。
大人しいままで本性をみせない、というのはそれだけで「後輩らしさ」を演出はしていますが、
もう一歩何か描写がないと、やはりどうしても苦しい感じ。百合子同様に、趣味のオンライン
ゲームが云々、とか言い始めても困りますし、ミニライブ時点でキャラが変わっていても、
それはそれでどうなのよ
、となってしまうので、まぁ仕方ないと言えば仕方ありませんが…。
だとすれば杏奈がこの映画に選ばれた意義は、とすらなってしまうあたりで、可哀想ではあります。

ベストシーン:春香に可奈からのメールを見せるシーン


箱崎星梨花

「出来ない組」の一人で、最初は明るかった表情が徐々に暗くなっていくような感が最もあり、
レッスンの厳しさ、アイドルの厳しさというのを可奈とは違った形で表現してくれました

明るく元気な子が表情を曇らせる、というのはアニメ本編のやよいや今回の可奈とも共通ですが、
非常に胸を打つというか、心に響くものなので、その役割を担ったのはそれなりに大きいでしょう。

もっとも、「それなり」は「それなり」に過ぎず、それ以上の何かがあったかというと、それは…。
アリーナにおいて自らの気持ちを吐露する可奈に対するフォローをかける、というあたりは
11話の雪歩やよいを思わせる描き方であって、そこも中々良い描き方だとは思いましたが…。

星梨花に関しては本当に11話当時のやよいがそのまま再現された、という感じがあり、
そのための存在だった、という感もあります。いい子過ぎるがゆえに目立った活躍もできず…
というあたりもアニメ本編のやよいと同様、という感じになってしまっていますね。

それゆえ、「後輩らしさ」があったと言えばあったわけで、その役割を全うした、という
意味では良かったのかもしれませんが…やはり扱いが良くなかったのは確かでしょう。

ベストシーン:アリーナにおける可奈へのフォロー


というわけで765プロのアイドル13人+スタッフ2人+バックダンサー7人個別の評価は以上。
次回はこの劇場版の話題、一応のラストとなる総括編です。
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