アイドルマスター ONE FOR ALL DLCシナリオ総括 個別シナリオ編 前編

kage

2015/01/22 (Thu)

個別シナリオ

今回のOFAでは個別シナリオもDLCで配信され、IEを獲得し、トップアイドルに輝いた彼女たちの
「その先」の物語が描かれる形
になります。全員シナリオ同様に3エピソードがあり、
1エピソード4話
。それが13人分ですから、とてつもないボリュームになるわけです。

エピソードはそれぞれ、アイドル毎に当然物語は違いますが、構成は同じで、
一つ目はそれぞれの個別新曲を手に入れる物語で、最後に玲音と対戦する形。
二つ目はその歌を磨き上げる、という物語となり、個別衣装が手に入ります。
そして三つ目は再び玲音と戦い、真のトップアイドルへ…という物語。


結局やることはライブ・オーディション・フェスでしかないわけで、
物語の部分が何よりも大事になってくる、というのは言うまでもありません。

ということで、これについて一人ずつ細かく観ていくこととします。


天海春香
楽曲:ステキハピネス
衣装:トラスティフォーチュン

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EP1で、与えられた新曲が馴染まない春香が、ふとしたきっかけで自ら別の新曲をつくり出す…
というあたりは「天性のアイドル」的であり、春香的でもあり、非常にうまい感じ。
その曲がヘタな恋愛曲ではなく、「幸せを届ける」気持ちをストレートに描いた曲、
というあたりも「ナチュラルボーンアイドル」である春香だからこそ
、でしょう。

EP2では、トップアイドルになったが故の、ファンとの距離に悩んだ春香が、地方巡業の
ライブイベントを行うようになる、という話。しかしその中でトラブルが発生して…となりますが、
それを通して、よりファンとのことを深く考えるようになる…というのもご都合主義と言えば
それまでですが、そのポジティブさが春香らしさでもある、というのも事実です。

そしてEP3では、玲音と対決するわけですが、他のメンバーに対しては挑発気味だったのに
対し、春香に対してはストレートに勝負を挑む形
。これもまた「メインヒロイン」の特権というか、
春香の特別さを際立たせる描き方にも思えます。もっとも、これは悪い印象でもないですけどね。
また、最後のセリフはOFAの物語もそうですが、それ以上に「この9年」の物語全体を
通してのもの
、そう受け止めることもできます。無印の「運命の出会いを信じてる?」に対する
一つのアンサーでもあり、そして、「これから」もあるのだと、そういうメッセージとして


他のメンバーが、新曲の歌詞的に「恋」をテーマとするものがやたらと多いのに対して、
Pに対するそうした気持ちが強いはずである春香の物語が、「恋」ではなくて「アイドル」に
焦点をあてて描かれた、というのは意外であるとも妥当であるとも
感じました。
散々言われてきた無印のベストエンドでの春香のオチをここで昇華することはせず、
全く別の物語を描いた、ということ。これがベストだったのかは、それこそ人それぞれ受け取り方は
違うと思いますが、私はこれはこれで良かった、と思います。なぜなら春香は紛れもなく
「ナチュラルボーンアイドル」で「みんなの幸せ」を本気で願える、唯一無二の存在
なのですから。


如月千早
楽曲:細氷
衣装:イストーリヤスヴェート

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EP1では、やや行き詰まりつつあった現状から、更なる高みに登るために自ら新曲を
求め、そのテーマを「弟の死を受け入れるための歌」という重いものに設定します。
…ということで異常なまでに重い物語が描かれますが、このEPだけでは消化不良で終わります。

それを受けてのEP2、千早の「9年」の重みに、Pと二人で立ち向かう、という話になりますが、
これはもちろん「アイマスの9年」とも掛けているはず
千早の重みを、一番わかりやすい形で
表現するとこうなる、といった感じでしょうし、実にうまい演出だとも感じられます。

そしてEP3、EP2にて正面から「細氷」と向かい合えるようになった千早が玲音と再戦を…
となりますが、千早をリスペクトしつつも、「アイドルとして間違っている」と指摘。
まぁ確かに「なんで千早はアイドルに?」というのはそもそもとしてあるんですが…
今回はそう言う意味ではなく
、ですね。そしてその指摘について探るべく「誰よりもアイドル」で
ある春香のアドバイスを受け、その上で玲音との戦い、そして自らとの戦いに挑みます。
その結果、最後には爆弾発言も…となりますが、美しい形でのラストとも言えるでしょう。

そもそものキャラクター性からしてそうなんですが、このDLCシナリオでも、誰よりも重い
シナリオが描かれるのは必然で、OFA本編での意外性の姿はどこへやら、というレベル。
ただ、本編にせよこのDLCにせよ、どちらも千早の姿であることは変わらないわけで、
千早だからこその物語であることは変わらない
、そうも思います。

そしてこのDLCシナリオで最も気になったのが、EP2のラストで「今が続けばいい」というもの。
「不変」を願うということ、これはまさに私が今の765プロに対するもので、
多くのPも願っているのでは、と思えること。これを千早が言ったということ、
この重みは、「9年」と同じように、アイドルマスターというコンテンツそのものと
かかってくる話なのか、あるいは…
。アイマスの中でも、とりわけ重い存在である
千早だからこそ、そこに深い重みがあるのだと、そう感じますが、果たして。


萩原雪歩
楽曲:あの日のナミダ
衣装:ティアリフルジェンス

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雪歩も当然他のメンバー同様、EP1では新曲作り、となるわけですが、雪歩は「2」でただ一人、
自ら新曲を作成する、というシナリオが展開されており、今回はそれに比べるとライトで
シンプルな話になっている印象
です。もちろん雪歩というキャラ自体、ストーリーが重めで、
「2」と比べれば、という話ではありますし、クオリティ自体が見劣りするわけでもありません。

EP2ではファンからのメッセーカードをきっかけに、ファンとの関係性を考える…という
実に雪歩的なシナリオが描かれます。その中で雪歩の成長、そして強さが描かれるわけですね。
しかし「雪歩組」って…「掘削組」とはまた別の団体なんでしょうかね…。

EP3では玲音に勝負を挑まれて…というのは他のメンバーと変わらないんですが、
雪歩と玲音ではアイドルとしてのタイプが全然違う、というあたりがポイントになってきます。
その中で、「理想のアイドル」である玲音とは別の形で、自分なりに輝いていく、という物語。

雪歩の物語は常に「成長」がテーマであり、本編でもそれが描かれたわけですが、
トップアイドルとなった後のDLCシナリオでも、ファンとの関係性、ライバルとの関係性から
その物語が紡がれます。もちろん、成長しても気弱な気質が変わったりはしないのですが、
それでも元々の芯の強さを、より磨き上げていく、そういう成長が見られるわけです。
その成長の様というのは、もしかしたら他の誰よりも「アイドルを育てる」という物語を
あらわしているよう
でもあり、「アイドルマスター」の醍醐味をも感じられるのかもしれません。


高槻やよい
楽曲:プラ・ソニック・ラブ!
衣装:ソニックシトラッシュ

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いつも「かわいい」としか褒められないやよいが、その現状に不満を持ち、ラブソングを
歌うことで別の評価を得られることを目指していく、というのがEP1の物語。
やよいなりに「オトナの恋」を模索しますが、どこまでいっても「やよい的」でしかなく…。
実際には中学二年生にもなればもう少し…という気もしますが、これがやよいらしさ
ですね。そしてそのまま、やよいなりのラブソングをしっかりと完成させることになります。
しかしそれは玲音にとっては「かわいい」対象でしかなくて…。

それを受けてのEP2、恋について学んでいく、というところで雪歩に学ぼうとしますが、
案の定役に立たず…いっそ雪歩からへの感情、というのが一番参考になりそうですが…。
その後はPとのデート等を通じて模索を続けていきますが、最終的にはやよいなりに
恋する気持ちを掴みます。…それにしても頬を染めるやよいは本当に可愛い…。

そして満を持してEP3では玲音に挑むわけですが、当の玲音はやよいをどこまでも
「かわいい」対象としてしか見ておらず、これにはやよいも不満を感じ、やよいがいかに
アイドルとして努力しているかをみせるために、玲音に普段の活動に同行をしてもらい、
さらにはPと共同でやよいをプロデュースする、という流れにまでなっていきます。
そして最終的にはやはり玲音とフェスで決着を…ということになるんですが、
勝者はやよい…というかやよいとPと玲音、3人になるわけですね。

やよいはどこまでいってもやよいのまま不変、というのが一つポイントになるかと思います。
もちろん成長が全くないわけではないんですが、良い意味で「変わらない」んですよね。
まぁ恋に関して、いくらなんでも頭足りてないんじゃないか、という描写も気になりはしますが、
それもまたやよいだからこそ、でもあるとも。また、玲音との関わり方も他のメンバーとは
全く違って、玲音の別の側面が見られる物語
、という形でもやよいのシナリオは機能します。
どうしても「かわいい」ありきになってしまうやよいなんですが、それありき、というのを
踏まえ、より一歩踏み込んだ内容を描けた、という意味でも良いシナリオ
だったかと思います。


秋月律子
楽曲:私だって女の子
衣装:グラスハイドハート

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EP1で、律子に与えられた新曲は恋の歌、なんですが、その歌詞のプロットを律子自身が
考えることに。しかし律子には恋愛経験が足りず…ということでPとデートをすることで
その感覚をつかもうとしますが…ここで全くの朴念仁、ラノベの主人公なのがPクオリティ
そしてそれにいら立つ律子は…というのは、なんというか「普通のギャルゲ」感も。
とはいえここでその方向に話は進まず、アイドルとしての方向へ進むのがアイマスで、律子ですね。

EPでは新曲がまだ本当の意味で完成しない、という壁にぶつかることになるわけですが、
それを乗り越えるために、恋する女の子役のオーディションを受けようとするなど苦闘。
そんな中、息抜きとして出掛けた映画館で、Pが上手い事言って律子の心境が大きく変化。
律子の最初の代表曲、「魔法をかけて」のフレーズを使ったあたりは実に見事なシナリオです。

EP3では完成した新曲を引っ提げて玲音と激突…という中で、律子自身のアイドルとは別の夢、
「プロデューサー」にまで言及し、その上で、律子が「アイドル」として、どういう気持ちを
持って、どうありたいか
、という極めて重要なところについて物語が描かれていきます。
そして最後の最後、トップアイドルを極めた律子が選んだ道は…。

2ndVISIONにおいて、もっとも立場を大きく変えたのが律子でした。「2」では竜宮小町の
プロデューサーとなり、プロデュース不能キャラに。そしてアニメでも竜宮小町のメンバーが
他のメンバーと大きな差がなく描かれる中、ただ一人「プロデューサー」として、「13人」の
枠から外されたような扱いとなり、映画でも「M@STERPIECE」を歌い踊れませんでした。
しかし、この「13人プロデュース可」のOFAにおいては、再び「13人」の枠に舞い戻り、
他のメンバーと何ら変わらず、プロデュースできるような形になったのです。
そこでは「プロデューサー」の夢は持ちつつも、間違いなく、「アイドル秋月律子」でも
あって
。このDLCシナリオの最後に見せた「アイドル」への想いは、あり方は、間違いなく
本物であると、それをまた感じさせてくれる、素晴らしいシナリオだったと思います。


三浦あずさ
楽曲:コイ・ココロ
衣装:ジニアルシンサリティ

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アイドル活動が同じことの繰り返しのように感じるようになった、というメタ的な発言から、
そんなこともあろうと思って新曲を、というのがEP1の導入部分になります。
あずさプロデュースでその新曲をつくっていくわけですが…あずさなりに悩みながら、
という感じではあるんですが、ストーリー的には起伏も小さいシンプルなもの
が、最後の最後にはかなり大胆に攻め込んできて、朴念仁のPも流石にたじたじ。

EP2では新曲がどうこう、というよりはあずさとPのラブコメと化したかのような話
展開していきますが、その中で海外デビュー、という可能性についても言及されます。
まぁその海外デビューまで含めて、ラブコメ感が拭えない物語になってくるんですが…。

しかしEP3では、その海外デビューの話が本格的に進み…まるで既成事実かのように
なっていき、あずさ自身が戸惑う中、玲音もまた世界デビューを勧めてくることになります。
Pや765のメンバーと離れ離れになってしまうことと、アイドルとしてより輝くこと、
どうあるべきか悩んだ結果、アイドルになった理由から立ち帰って考え直し、出した結論は…。
最終的には「アイドルとして」を超えた、その先を感じさせるところまで描かれることになります。

元々のあずさの夢はもちろん、年齢的なところもあってか、誰よりもPとの恋愛的な話が
具体的に描かれ、「他のアイドル達はどうするんだよ」と思わずにはいられないくらい

他のアイドル(特に律子)に対してはサラリと流すPも、あずさの直球は流石にダイレクトに
受け止め、その扱いはまるでメインヒロインが如く、というくらいのあずさ無双が描かれます。
もちろん「それ以上」が具体的に描かれるわけでもないんですが、「エンドレス」が仮に
解き放たれることがあれば、Pはあずさと…となるのが筋、というくらいのものですね。
ただ、春香を筆頭に、具体的な恋愛色が薄くなった今作においては、貴重な物語でも
あると思いますし、何よりも「あずさらしい」という意味で、良いシナリオだった
とは思います。


続きます。
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