アイドルマスター ONE FOR ALL DLCシナリオ総括 個別シナリオ編 後編

2015/01/27 (Tue)
水瀬伊織楽曲:全力アイドル
衣装:エンプレスチャーム

EP1では他のメンバー同様、新曲が与えられるわけですが、その詞の内容に
伊織は不満爆発…となり話が進まなくなりますが、トラブルがきっかけで
改めて考え直すことになり、さらには実際に作詞家と対面することで、歌詞そのものも
方向性は同じまま、書き直されて伊織も納得する、というかなりシンプルな内容。
EP2では学園ドラマのオーディションを、慣れない役柄もあって苦戦しながらも勝利しますが、
実際に演じるにあたっても苦戦することに。「恋」の気持ちがわからず悩むわけですね。
しかしPとのやりとりを通じてそれを少しばかり感じられるようになって…という、これまた非常に
シンプルな物語が描かれます。アイドルど真ん中、「全力アイドル」的ではありますが…。
そして迎えるEP3ですが、ここでは大きく方向転換。親の都合でパリに移り住むことになりそうで、
さらにはアイドルも辞めるよう親には言われて…という話に。トップアイドルになったとしても、
まだ中学生、子供は子供、だからでしょうか。本編で親に認められたはずなんですが…。
その事態に対し、伊織は足掻きながらも諦めて親に従う様な流れになりますが、
玲音を過剰に意識しながらも、事務所のメンバーをほとんど気にする描写がない、
というのは、しっかりそこが描かれたあずさとの差異もあっていかがなものかと…。
最終的な結論は言わずもがな、ではあるんですが、親とはどうしたか、までは描かれません。
シンプルすぎるとは言え、伊織的であることは間違いないEP1や2と比べ、
相当にあっさりとアイドルを諦めてしまっているようにしか見えないEP3、というのは
かなりの落差を感じますし、伊織らしさすらもない、と思え、非常に残念に思える物語でした。
13人の中で、「外的要因を理由にアイドルそのものを辞めざるをえなくなる」という物語を
最も自然に描けるのは、家族の問題を抱える伊織であることは理解できますし、
他との差別化もできてはいますが…。それでも「伊織らしさ」が欠けては元も子もない、という話。
最後の最後にはもちろんしっかりとした判断を下すことにはなるんですけどね。春香とは
また違う形で「アイドル」を体現する伊織には、もっと良いシナリオもあったのでは…。
菊地真
楽曲:絶険、あるいは逃げられぬ恋
衣装:エムートアンビシオン

EP1では新曲作りを、というのは他のメンバー同様ですが、少女漫画を元ネタにしてしか
詞のイメージが作れず…最初の段階では色々と酷いものができ上ってしまいます。
それを他のメンバーに見せたときのリアクションは中々面白いものになっていますが…。
そんな他のメンバーのリアクションをきっかけに考え直したとはいえ、あまりにも急激に
進化した歌詞の楽曲がつくられたのには流石に驚き、というかなんというか。
真の出した「イメージ」は果たしてどれくらい実際に反映されたんですかね…。
それを玲音も察したのか、挑発的な言葉を残していき、次回が気になるヒキに。
その「次回」、EP2では、そのEP1での玲音の言葉を気にする真に、さらに当の玲音が
「恋をしなよ」というアドバイスをすることで、話が動き始めることになります。
美希や亜美と恋バナをしようとするなど迷走する真ですが、そこを救うのが敏腕P。
無理に恋しなくても、「妄想でもいい」とする助言は、まさにパーフェクトコミュニケーション。
そして導き出した答えが「ファンの恋人になる」というのは実に真らしく、文句なしのものです。
が、それで完結せず、EP3も当然あり、「やり残したこと」として玲音との再戦に臨みます。
その玲音から突き付けられた課題も、過去のエピソードを見事に活かす方法でクリア。
さらにそこでの最後の言葉はこの上ないイケメン的内容、というのもやはり真だからこそ。
ストーリー自体は極めてシンプルですが、その中に「真らしさ」が非常に溢れるもの。
「恋」をテーマとした新曲、というのは他のメンバーと被るところではありますが、
「ファンが恋人」という昇華の仕方はやはり真ならではという他なく。
また、最後には「765プロの他のメンバーがいてこそ」といった話もありました。
このOFAでどうこう、という以上の話として、アイマスは、765は決して一人じゃなくて
「みんなで」ここまで来たし、これからも行くんだと、それを示してくれたのも何よりでした。
双海亜美
楽曲:トリプルAngel
衣装:ドリーム2スターズ

EP1では新曲作りを…なわけですが、コンセプト作りを担当した亜美は案の定最初は
ネタに走る形に。そもそも「オトナな私」をテーマにしたことが無理がある…という話ですが、
その理由がシリアスなもので…と思いきや、衝撃のオチが待っていることに。
まぁ亜美のやたらシリアスなネタって大抵はこうしたオチになってるわけですけどね。
EP2では「トリプルAngel」を深めるために遊びまくる亜美ですが、そこに思わぬ落とし穴が。
亜美の母親からメールが、というのがきっかけですが、そもそも「親」という存在とメールであれ
やりとりするP、という描写が出たこと自体が新鮮というか、これまでなかった形で驚きです。
ここは亜美にとっての難関になりますが、敏腕Pが手腕を発揮したこともあり、乗り越えます。
そしてEP3では話が全く変わって、かつて自分が破ったはずの玲音のステージが進化している、
ということで、その謎を探りながらも、思わぬ提案を亜美側からする流れになります。
そしてそれを受け入れた玲音との決戦の行方は…やっぱり亜美らしいオチに落ち着きます。
…というか真美が本当に良いキャラをしているというか、やはり「最強の双子」ですね。
3エピソードそれぞれでかなり話が違うわけですが、いずれも「亜美らしさ」は全開。
本編同様真美が出過ぎでは、という感も否定できませんが、前述通り「最強の双子」で
あるわけで、これくらい出張ってくるくらいがちょうどいい、という見方だってできます。
その真美とのシナリオの書き分けは決して簡単ではなかったでしょうが、
そこをうまくクリアしてきたシナリオは、単純に素晴らしいと感じられるものでした。
双海真美
楽曲:放課後ジャンプ
衣装:ジャンプ2スターズ

EP1ではオーディションで自作の詩を披露した他のアイドルに感化された真美も自ら詩を
書きたくなり…という他のメンバーとは少し違った形の導入になります。それが結局「詩」が
「詞」になり、新たな楽曲の歌詞になり…という話になっていく、という話です。
「男子視点」というのも斬新で、真美ならではの表現でもあり面白い感じですね。
EP2では「オーラがない」と友達に指摘された真美が
するものの…当の玲音から意味深な批判・指摘をされてしまうところからスタート。
それを受けて思い悩む真美はこれまでになくシリアスな雰囲気になりますが、
とある人物がライブに訪れることで真美の心境も変化し、乗り越えていきます。
EP3では真美とは逆のスタンスだと自ら宣言する玲音から宣戦布告を受けて…という話。
またも悩むことになる真美ですが、誤った判断をしそうになったところを正しにきたのは
やっぱり亜美でした。真美個人の物語ですが、亜美と二人で「最強の双子」ですからねやっぱり。
そして最後は異様に海外志向の玲音から…となりますが、真美らしい決断をみせてくれます。
亜美と比べると若干シリアスな展開が続くことになりますが、そこも「真美ならでは」で
乗り越えていくの流石、と言える物語ですし、亜美との差別化にもなっています。
とはいうものの、真美が亜美を助けたように、真美もまた亜美に助けられ…
ということにもなっていてやっぱり「最強の双子」を感じさせてくれる構成は素晴らしい限り。
真美と亜美、二人別々の物語を描きながらも、二人だからこそ、も。「2」では残念ながら
描かれなかった形が、ここでようやく、というのも感慨深く、感動もひとしおです。
星井美希
楽曲:Nostalgia
衣装:アンライバルドピアッサー

EP1では「ハニー」呼びを本格化させる美希とそれに戸惑うPの前に謎の楽曲が…という話。
まずはやよいや千早が歌おうとしますが全く手も足も出ない様子…なのですが、
千早VerはともかくやよいVerというのは是非とも聴いてみたく思えますね。
結局はもちろん美希のモノとなるわけですが、貴音の杞憂がものの見事に的中し…
これまで見せたことのない姿を美希が見せ、スッキリしない形でこのEPは終わります。
EP2では美希が「Nostalgia」と向き合い、その謎に迫っていく、というこれまでにない内容。
そしてその曲に迫る、ということは、美希自身にも迫る、ということであって…。
その謎は結局ちゃんと明かされるわけですが…作詞家はどこで見てたんだよ、という感も…。
それはともかく、歌を本当の意味で自分のものにした美希ですが、そこに玲音が…。
EP3では早々にEP2のラストの謎があっさり解決…したかと思いきや、非常に重い展開に。
…それにしても玲音は本当に意味深な挑発が大好きですよね…。
最終的には自分自身を見つめ直し、思いだした美希が再び「美希らしく」輝きます。
春香と双璧をなすメインヒロインである美希のシナリオ、どんなものになるかと
身構えていると、謎の楽曲と出会い、迫っていく、という全く想定外の内容でした。
春香とは別の形で「アイドル」を貫くか、あるいはPとのベタベタ路線で行くのか、と
思いましたから…が、最後の最後まで見れば、これ以上ない「美希の物語」であったのです。
「アイドル」という意味では決して王道ではないし、その意味で「メイン」としては春香に
及ばないかもしれませんが、「アイドルマスター」という意味では、「アイドルの個性を輝かせる」
という意味では、間違いなく王道で、「メインヒロイン」たりえる物語でもありました。
四条貴音
楽曲:ふたつの月
衣装:アロセレーネ

EP1は当然他のメンバー同様に新曲を、となり、曲のコンセプトを貴音自身が、というのも
多くのメンバーと同じ形。しかし貴音が出してきたコンセプトというのが、悪い意味で
貴音らしいというほかなく…「アイドルらしさ」を求め、作り直してもやはり失敗してしまいます。
最終的にはPの敏腕っぷりもあり、良い意味で貴音らしい曲作りに成功することに。
最後は玲音とフェスで対決、となるわけですが、その玲音がまたも意味深な発言を残し…。
EP2は、玲音の言葉を気にしつつも、「じいや」に貴音のステージを見てもらえるはずが、
見てもらうことができず…というところからスタート。そのじいやが実は体調を崩していて…
という話になり、貴音も動揺を見せますが、またもPが敏腕っぷりを発揮することで、
貴音は気持ちを入れ直します。そして最後は、綺麗な形でこのエピソードは完結する形に。
EP3では海外志向の玲音がPを引き抜きに、という話から、再び玲音と決戦を、という流れに。
もちろんPはそんな話を受けませんが、貴音はそれを必要以上に気にしてしまい…。
しかしまたもPが完璧なフォローを掛けることで貴音も安心し、最終決戦へ。
EP1や3については極めてシンプルな物語で、言ってしまえば貴音じゃなくても描けてしまうような
話になっています。2については貴音ならでは、でありますが、シンプルな話なのは同じく。
本編シナリオが具体性を欠いたのも、このDLCが非常にシンプルなのも、貴音の突飛な
キャラクター性に合わせてか「2」において突飛な物語を描いたがために酷い有様に
なったのを受けて改善した結果、とも受け止められる形です。13人の中で最も異彩を放つ
キャラだけに、個別シナリオを書くこと自体が難しいのだとは思いますし、今回は非常に
シンプルな形でまとめた、というのは納得できますし、これで良かったとも思えるものです。
我那覇響
楽曲:Pon De Beach
衣装:ファンタジアソール

EP1では、響から新曲を求める、という他のメンバーとは異なる形で始まることになります。
その姿勢自体も、「みんなで歌う歌」というオーダーも、非常に響らしい感じですね。
しかし「沖縄らしさ」を曲に求めつつ、既存のものとは違ったテイストを…ということで
難航しますが、そこをほぼ独力で乗り越える辺りにも響の力強さを感じられます。
EP2では自身のライブを、楽曲をより深める、という感じの内容。ライブだけを楽しんでもらう
だけでなく、ライブ後の日常も楽しめるように…という極めて難しい課題を自らに課し、
挑むことになります。それを解決するために行った行動は…やっぱりライブ後の
寂しさを完全にはカバーし切れるものではないと思いますが、ファンにとっては
嬉しい方法でしょう。それにしてもPはともかく、ファンの前でエゴサ宣言というのは…。
そして最後はPにとっても非常に嬉しい言葉を。やっぱり響は完璧ですね。
EP3では玲音に自ら挑戦状を、とこれまた非常に積極的なアクションを起こします。
しかし玲音は響とステージのスタンスが正反対、ということもあり響の思惑通りには
進まず…。そんな悩める響の前に、なんと千早が「仮想玲音」役を買って出る、という形に。
そして実際に千早とフェスで激突…と、他のメンバーでは見られない展開となります。
もちろん結果は…ですが、成熟した千早の姿が見られる、という意味でも嬉しい展開です。
そして玲音との決戦も、自然体の響で挑み…。決戦後の響の「みんなで」というのもまた、
響らしくもあり、あるいは765プロらしくもあり、アイマスらしくもあり、ですね。
他のメンバーが、受動的に、物事が起きてから行動、というのが大半なのに対して、
何でも自分から能動的に、というのが響のシナリオで、非常にらしさあふれるものでした。
また、ファンのために、という姿勢も強く感じられ、アイドルとしても素晴らしいあり方です。
アニメ等々、不憫な描かれ方の多い響ですが、このOFAにおいてはシナリオにも
非常に恵まれ、彼女本来の個性をしっかりと輝かせてくれたと、そう思います。
次回がラストです。
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Posted at 10:24:11 2015/01/28 by
この記事へのコメント

Re: タイトルなし
ご指摘ありがとうございます。
修正させていただきました。
Posted at 21:53:50 2015/01/28 by トリプルデイP
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