ラブライブとアイドルマスター その3 前編

kage

2016/04/09 (Sat)

このタイミングでこの記事を書くこと自体、一種の「煽り」と捉えられてもやむなし、
とは重々承知です。しかし「ファイナルライブ」を終えてラブライブがコンテンツとして
一区切りをした今の、このタイミングでこの記事を書くことは前々から予定しており、
想定のしようもない事案が発生したからといって回避はしない、という姿勢で書くものであり、
煽りなんてことが目的では一切ない、ということはあらかじめご理解ください。

…ただ、こういう事態が発生した以上、やっぱりそれに触れないわけにはいかないのも確かで、
だからそれについても、主題としてではありませんが記事の後半で一応言及はします。


私にとってのラブライブ

この記事のタイトルが「その3」となっている通り、
「その1」と「その2」の記事は、以前に書いています。

ラブライブとアイドルマスター ~前編~ 2013年6月25日
http://imastadium.blog.fc2.com/blog-entry-25.html

ラブライブとアイドルマスター その2 前編 2013年10月5日
http://imastadium.blog.fc2.com/blog-entry-140.html

ただ、日付を見ていただければわかる通り、3年近く前の記事となっていて、
もはやこの時とは状況は全く異なっている、というのは言うまでもない話、というわけです。

それはさておき、まず私がどのくらいラブライブというタイトルについて触れているか、について。
単刀直入に言うと「アニメ1期と2期を観た」だけ、という形になります。

つまり、映画も観ていないし、CDも買っていないし、ライブも行っていないし、
スクフェスもやっていません。アニメ通常放送分以外の展開、媒体に基本的に触れていない
という形になります。ただ「その2」でも取り上げているように、ライブの動画のように
無料で享受できる媒体については多少は触れている、というのも確かです。

またラブライブは始動当初からアイマスと何かと比較されてきたタイトルですし、
その大枠の動きくらいは捉えてきた、というのも確かです。

それこそ、昨年末のNHK紅白歌合戦出演、先日の東京ドームライブという動き、
そしてそれが「μ's」のファイナルライブであること、などです。

そうした視点からラブライブを捉えてきた私が、「人生」を委ねたアイマスと比較して
何が違い、なぜ大ヒットに至ったのか、ということを考えてみたいと思います。


ラブライブのヒット要因

この理由については「その2」の記事でも書いているので、それをまずはまとめます。

①アニメを中心とした展開と見せ方のうまさ
②声優のライブパフォーマンス
③メンバーを絞った上での展開


このあたりがそのヒット要因の中心だと当時書きましたし、今でもそう思いますが、
それ以外にも大ヒットに至った要因となるものはいくつか考えられます。


④「学園モノ」というフォーマット

「ラブライバーには中高生が多い」とはよく言いますが、その実態はさておき、
学園モノ(あるいは部活モノ)がそうした層にとって親近感が沸きやすいのは確かなはずですし、
また、年齢層を限らず、一般的なオタク層はもちろん、「非オタク層」まで取り込めるような
力があるのはこのフォーマットだからこそ
、と言っても過言ではないでしょう。

実際、「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「けいおん!」「化物語」といった近年のヒット作は
まさに「学園モノ」ですし(それを作品の主題としているかどうかは別として)、
ラブライブについてもその流れを汲んでいる、と考えるのは全くおかしくない話です。

そのフォーマットから外れたヒット作としては「進撃の巨人」といったものもありますが、
これも主人公たちを見れば学園モノの変化球系と捉える事だってできるものですしね。

また、ラブライブのファンには小学生くらいの低年齢層や女性層も多いとは言いますが、
それもまさに学園モノという強みが活かされたからで、これは「セーラームーン」の流れを
汲んでいる、なんて捉え方だってできるのかもしれません。

もちろん全ての学園モノアニメがヒットするわけでは当然ないのですが、
ラブライブは学園モノであると同時に、アイドルモノだった、というのがポイントなわけです。

つまり、二次元三次元問わず「アイドルモノ」が活況のこの時代に、「学園モノ」という要素が
加わることで「勝利の方程式」と化した
、という観方もでき、事実そうなった、というわけです。

じゃあこのパターンならなんでも成功するのか、というとそうでもないのは当然ですが、
「アイマスにはないヒット要因」としてあげることのできるものの一つではあるはずです。


⑤ユニット展開

ラブライブはμ'sという、9人のユニットでの物語となっていて、
だからこそアニメ内でもメンバーの「卒業」、そして「解散」がテーマになるわけですが、
アイマスはそうではない
、という点において大きな違いとなっています。

アイマスはアーケードからの流れとして、アイドルとP、1対1の関係性が基本です。
ユニットという形式もありますが、それは任意で2~3人で組ませたりするものに過ぎません。

765プロの13人を「765PROALLSTARS」と称しもしますが、それはユニットの名称ではなく
総称としての名称
であり、実際「IM@S ALLSTARS」などと称された時期もあるように、
絶対的な名称として付けられているものではありません。

一方でμ'sは9人の物語としての前提があって名付けられたユニット名称であり、
コンテンツの展開もそれに基づいて行われている(はず)、ということもあります。

この違いについて、どっちが良い悪い、という話ではないと思いますが、
少なくとも三次元アイドルにおいては「ユニットアイドル」は活況ながら「個人アイドル」は苦境、
というのがトレンドであり、二次元においてもそれを汲んでいる
、とも捉えられます。

もちろんアイマスは、特に765においてはアイドル個人のプロデューサーであると同時に
「765プロ」のプロデューサーである、という意識のあるPが多いとも思いますが、
メンバー全体としての物語が捉えにくいというのは確かであり、
それは「外部」への訴求力としては弱くなる、ということにもなるはずです。

コンテンツの「わかりやすさ」としても、時代のトレンドとしても、
ラブライブの形のほうがヒットしやすいものである
、という話です。


⑥百合展開

アイマスは「アイドルとプロデューサーの物語」であり、そのアイドルは女性で、
プロデューサーである主人公(プレイヤー)は男性、というのが基本フォーマットです。
だから、恋愛がメインではないとはいえそうした要素は多大にあり、
それはつまり所謂ギャルゲー的要素をアイマスは持っている、ということにもなります。

一方でラブライブはアイマスにおけるプロデューサーのような存在はなく、
基本的にメンバー内だけで完結する物語、という形になっています。
というか、それどころか、少なくともアニメ内では男性の存在を、冷静に考えれば
不自然な程に排除しており、「女性の園」を作り上げられることになり、
結果として「百合展開」が広がるフォーマットになっています。

この「男性排除」で成功した例は「けいおん!」が顕著ですが、これもまた近年の
アニメ系コンテンツのヒット要因の一つで、それをラブライブも踏襲しているわけです。

「(主人公であり、自分でもある存在も含めて)男性はいらない、ヒロインの女性たちだけでいい」
という形式も、良い悪いという話ではなくてトレンドとしてそれが求めらている、
というのがあって、ラブライブはそれにも見事に合致しているわけですね。


⑦展開のわかりやすさ

これは①や③の書き直し的なものにもなってしまうのですが、
非常に大きなポイントでもあると思いますので、改めて触れておきます。

ラブライブは雑誌企画を起点としつつも、中心はアニメであり、その延長に映画があり、
そして別のメディアとしては「スクールアイドルフェスティバル」というアプリゲームがあり、
そしてその物語はμ'sという9人のものである、というのが明確にわかるものとなっています。

これはアーケードゲームを起点としつつ、家庭用ゲームに移植、アニメ化、だけならまだしも、
「パラレル」の名のもとに様々なメディア展開が入り乱れ、そしてそれは最初の10人の物語、
でもなんでもなく、展開によってメンバーすら丸々違ったりもするアイマスとは大きく異なります。

もちろんアイマスのその展開にも「多くの入り口がある」という利点があるのは確かですが、
一方で「ぐちゃぐちゃ」とも取れるのも確かで、その複雑さは「一見さんお断り」の
雰囲気を作り上げてしまっている
、ということにもつながっていると感じられます。

しかしラブライブはそうではない。とりあえずアニメを観れば、ベストアルバムを聴けば、
スクフェスをやれば基本は抑えられる。
そういうわかりやすい構成になっています。

より「三次元アイドル的」である声優のライブパフォーマンス、つまりはそれができる
声優陣を選出したことがラブライブ成功の要素の一つである、とも以前書きました。
それも含めて、言ってしまえばラブライブはアイマスの一見無駄に見える要素をそぎ落とし、
代わりに「売れる要素」を詰め込んだ、「洗練」された、スマートにしたコンテンツ

そういう捉え方ができるわけです。

そしてそのスマートさこそが「新規層」の取入れに繋がり、コンテンツの規模拡大に繋がり、
数字の上でアイマスを超えるようなヒットに繋がった
、という考え方ができるわけですね。


ただ一方でその洗練具合、言い換えれば「一直線」となった展開は長くは続かない…
ということで「ファイナル」、そして「世代交代」へとつながり…という話は次回に続きます。
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この記事へのコメント

kage

こんばんは。
トリプルデイさんは過去のプロデュース歴やキャラに対する考え方など、アイマスの今までを振り返ることが多かったですが、今回の記事では珍しく他作品に触れられていて、興味深かったです。
一つ提案をさせて頂きたいのですが、ラブライブの楽曲についてプロデューサー目線で語って頂くことは出来ないでしょうか。
二次元とは言えど、アイドルにおいて楽曲はコンテンツを印象付ける最重要な要因だと思います。
優劣をつける気はさらさらありませんが、楽曲の比較を行って、こういう曲がアイマスにあっても良いよねとか、こういうのは向こうしか出来ないよね、と言ったことを記事にするのも面白いことかと思います。
近しい土俵にいる同僚を観察することでアイマスを見つめ直すことが出きると思いますし、また様々な歴を持つこのブログの読者さんがそれを見ることにもまた意味があると思います。
"アイマスブログ"をうたうトリプルデイさんにはやりづらいことであるのは重々承知ですが、ご検討よろしくお願いします。

Posted at 21:26:52 2016/04/10 by 槙張

この記事へのコメント

kage

Re: タイトルなし

槙張さん

コメントありがとうございます。

ラブライブの楽曲について、ですか…。
記事に書いている通り、CDを買っているわけでもないので、
基本的にはアニメで使われている曲くらいしか考えようもないのですが…。
まぁ何かしら機会があれば、ということで検討は致しますが、
絶対書けるというわけでもないので、期待はあまりしないでいただければと思います。

Posted at 22:47:35 2016/04/10 by トリプルデイP

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kage


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